20200-12-17 セ・リーグにDHが必要な本当の理由Ⅲ
野球のルールでDH制度がない場合、守る人と攻撃する人は同じでなければならない。
このルールのせいで、高校生にも劣るような守備力しかない選手が外野を守ることになる。
逆に守備を買うことでアマチュア以下のバッティングレベルの選手が出場するということもある。
野球は守備と攻撃では全く違う動作、作業を行う。
投げる行為、捕る行為、打つ行為、走る行為と全然違うのだ。
だから打つのは超一流だけど、走ったら一般人より遅いという選手や守ったら超一流だけど
飛距離は高校生のスラッガーより劣るという選手や飛距離は場外まで飛ばすけど投げさせたら
カットマンまで届かないことが多いという外野手がいたりする。
サッカーを例えに出せば、ボールを自分で、あるいは自チームで確保するという行為を
全員が行うので、キーパー以外は同じ行為を行う。
野球は、投手と野手と別れているくらいで、攻撃陣、守備陣、走塁陣は、峻別されない。
野球は、まったく違う行為にもかかわらず、選手交代は自由にできず、出場選手が全てをこなさなければならない。
もともとこの仕組みで最高技術を連続させることに無理があるわけだ。
昔は外野手と一塁手は打てればよい、とか外野をやるなら打てなければ意味がない、とか言われたが、
今の野球は外野手の守備力がとても重要だということが周知されているはずだ。
ピッチャーは点を獲ってくれる味方より、守ってくれる味方が心強く、頼もしい。
守備に不安を抱えたまま投げて点を取られたり、アウトと思った打球をアウトにしてくれなかったり、
といった方がショックは大きく崩れるもの。
また、やられたと思った打球をアウトにしてくれたらとても救われるし、立て直しが効くもの。
外野守備の重要性と外野守備で魅せることは野球の大きな醍醐味のひとつであり、
それはホームラン同様かそれ以上に魅力があるものだ。
守備と攻撃で選手を峻別してよければ、守備にも攻撃にもスペシャリストや最適な登用がされる。
守備は各ポジションのスペシャリストが相手の攻撃を食い止め、失点しないために網を張り、
俊敏な動きと鋭い送球でランナーを殺す。ホームベースは踏ませない。
打線は相手ピッチャーに合わせた打者が並んだり、出塁率の高い俊足が並んだり、
一発屋が並んだり、守備位置が関係ないから左だけ、右だけの打線が誕生する。
攻撃に関しては、相手に合わせることになるから毎日固定の打線とはならなくなる。
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