DH制を導入した方がいいというより、ピッチャーが打席に立つということは避けるべきなのだ。
この理由はプロならではの試合を提供する責務と巨人がセ・リーグに示した通りだ。
それは、プロという最高レベルの試合の中でピッチャーが打席の瞬間はアマチュア以下のレベルの対戦が
繰り広げられてしまうからだ。
およそ、テレビ放映に耐えうる映像または、お金を払って見たいドラマではなくなってしまう。
高校野球よりも低いレベルの対戦を見ることを強要されるのだ。
また、ピッチャーが打席に入ることで投げる方(守る方)としては、ひとつのアウトが計算できる。
ピッチャーの前の打順までに、ふたつのアウトをとっておけば、ランナーを3人出しても構わないことになる。
または、ピッチャーでひとつアウトをとり、前後はランナーを出しても構わない場合も出てくる。
このことにより、投げる方はピッチャー以外の打者への攻めにも神経を注がずにいられることになり、
高度な戦術が期待できなくなってしまうのだ。
ただ、ピッチャーでも打撃のうまい選手がいる。
もともと、野球ではピッチャーが最も重要になるため、チームで一番うまい奴、ハイセンスな奴が
ピッチャーを務めることが多い。
また、ピッチャーは野球センスに優れた奴が高い能力を発揮する場合が多い。
プロ野球選手になる選手の多くが、少年時代から高校時代に至るまでエースとして活躍していた
選手ばかりだ。
プロ野球選手でピッチャーを経験したことがないという人はいないだろう。
オロナミンCの”子供の頃からエースで4番~♪”というやつだ。
これらの選手が、野手顔負けのバッティングをみせることで、その選手の野球センスに感心したり、
投手の打撃成績記録を楽しんだりといったことはある。
だが、いくら打撃が良いピッチャーと言っても打者(野手)としてプロの世界に入って、
1軍におり、日々鍛錬している選手よりは劣るわけだ。
プロの最高のレベルの戦いにはこの瞬間はふさわしくないと言える。