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育成制度も慎重に活用しなければ、成功だけとはならない

育成という仕組みでプロ野球選手を目指せる環境が広がった。

昨年、中日の育成1位指名で入団した松田は、高校時代バレーボール部。

高校在学中に身長が伸びると、中学まで続けていた野球をもう一度、大学で取り組んだ。

高校時代に野球から離れ、学力で1流大学へ進み、そこから野球で立身するなどというストーリーは

おそらく、前人未到の出来事だろう。

 

若いうちは、伸び盛りだからアマチュア時代の実績や実力を凌駕して想像以上に化ける可能性が多くある。

育成という制度はその名の通り、こういう選手が出てくる可能性があるので作られた仕組みだ。

若い選手に、給料は安く、1軍の試合には出られないけれど、

3年間のチャンスをあげるから夢を追いかけてみなさいということで、門戸を広げた。

選手の夢と球団の希望が合致した、大成功の仕組みといえるだろう。

3年間のチャンスで結果が出なければ、夢を追った選手もあきらめ
がつき、

次の人生へ向かいやすいと思われる。

 

一方で選手は希望に満ちるが、ほとんどが夢の世界であり、薄給でほとんどがすぐにクビとなる。

支配下選手のドラフトも若くしてクビになることがほとんどだが、こちらは契約金が

多くもらえるので、救いがある。

 

人生の中でとても大事な20歳前後の時期をモノにならないことに費やしてしまうという恐怖がある。

その経験は意味があり、役に立つことも多いだろうが、こと技術ということだけでみれば、

所詮、野球だ。ただの球遊びに時間を費やしたことになる。

これが学問とかに費やしたなら、その知識や知恵は積み重なっていくが、野球で

磨いた技術は、他には生きない。

球団もその辺を考慮して、本人がプロを希望していたとしても、獲得に動かないことも配慮となる。

実際、プロはそういう人生のことまで考えて、青田買いをする。

育成枠なら薄給だから、獲れるだけ獲ってやろうとはしない。

もしくは、再就職、退職金、といったことも良く考え、話し合うことをするだろう。

選手は前しか向いていないことが多い。

挫折やケガや引退といった、現実に直面するとどうしていいかわからなくなる。

育成制度も慎重に活用しなければ、成功だけとはならない。

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