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ファンの感動を奪い、失望を生んだ球場づくり

日本で今、一番新しい球場である、日ハムの本拠地。

できた当初、世界一の球場と評価した有名な野球人がいたほどだ。

だが、球場自体は狭い。

 

ドーム仕様でホテル併設となっているので、圧迫がある。

札幌と比べても両翼は短く、フェンスも低い。

そして、問題になっていたバックネットが近いときている。

 

大きく作ったのにホームランが出ないとなった途端狭くする傾向がある最近の球場。

ホームランこそ野球の華で、ファンが一番喜ぶ、という思い込みによる。

実際、多くのファンがそうなのかもしれないが、多彩な野球の見方を持っていないからだろう。

 

最も、気になるのはファールグラウンドに設置された観客席だ。

アメリカの球場に倣って、日本の各球場でも増設された。

 

ピッチャーは狭くなることで得することはまずない。

ファールグラウンドがあそこまでなくなることはファールフライアウトが減ることで

球数は増え、打者を抑える苦労は増える。

 

打者は助かる場面が増えることになる。

ただ、犠牲フライが減る可能性はある。

 

そして打者は同時に野手でもあるから、内、外野の見せ場は確実に減る。

こんなものがなければ捕れたのに、と思うプレーは年間でかなりの数になる。

 

総じて喜んでいる選手はいないと思われる。

狭小になったグラウンドで、大いに体を伸ばして野球をやっている、という感覚はなくなる。

 

そして、日本のプレーヤーが海外へ渡ると、球場の広さや伝統、雰囲気、洗練さに感銘を受けるものだ。

そこではフィールドオブドリームを感じるからだ。

 

この球場づくりの目的は客になるべく近くで選手と試合を観てもらうということだ。

この発想は主催者としては当然のことであり、客も希望する。

 

だが、打球の危険を考慮すると球場づくりには限界があり、長い間、実現できないジレンマの中で生きてきた。

そこでついに実行したのが、このファールグラウンドを使うという苦肉の策だった。

 

しかし、反面、選手の華やかでダイナミックなプレーが消えることで、ファンの感動を奪った。

さらに、近づいたファンはあろうことかプレー中の打球を取りに行くという暴挙にまで出た。

 

ファンへのサービスのつもりが、試合を妨害することになったのだ。

これで多くの別のファンの失望が生まれることになった。

 

砂被り席はヒットだ。

プレーに影響せず、臨場感の上昇を実現した。

 

ファールグラウンドで観戦したファンも喜ぶのはその時だけ。

別の日にスタンドに行き、別の場所で別の見方をしたら、逆にあいつら邪魔と思うことになり

その時はあんなの無くていいと思う身勝手に転じる。

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