国際戦に採用される得失点率というルール。
TQBという方法を見かける。
TQBで上位に入るためなら、得点を多くし、失点を少なくする戦いをするしかないと思いがちだ。
ところが、無邪気に打ち、無邪気に相手を抑えたとして、TQBの成績が良くなって、
上位2チームのひとつに数えられ、よかった、よかったとは必ずしもならないルールのよう。
2017年の世界大会で決勝進出をかけた韓国戦では大勝してしまうと
韓国のTQBが悪くなってしまうということになり、足きり対象が韓国になると、
上位2チームが日本とカナダとなるという状況だった。
そして、いざ決勝進出チームを決めるとなると日本とカナダの直接対戦成績となり、
カナダに負けている日本は、脱落ということになってしまうのだった。
韓国戦は、負けたら当然だめで、勝つにもTQBを良くしながらも、
大勝して韓国を脱落させてもだめという複雑な状況だった。
当時、巷では7点差はダメで6点差がいい、とか噂が立ったものだ。
コールドになった時のイニング数の違いなどでもTQBの数字が変わってくる。
また、表の攻撃か、裏の攻撃かの差で9回の1イニングの差ができてしまったり、
無死でのサヨナラと2死でのサヨナラでも8回0/3と8回2/3で違いが出る。
2017年のWBCでは、メキシコが勝ち上がりと一時発表されたものの、
それが覆ったということがあった。
サヨナラのタイミングで失点率が悪くなったメキシコが敗退となった。
しかし、こんな憂慮も関係なく、日本は韓国に完敗したので話題にはさほど上らなかったが、
これで韓国に勝っていながら、それも大きく勝ちすぎたことで脱落していたら話題となっていたはずだ。
WBCのメキシコ脱落のように、日本がこの憂き目にあっていたら不満の声が沸き上がったろうし、
ルール改正を叫んだだろう。
野球は、相手より1回ホームベースを多く踏むために、戦略を施すところに面白みがあり、
大量得点が必要とされれば、大味な試合になる。
さらに、コールドやサヨナラ、または表裏でのイニング数の違いで
得失点率が変わることを考えながら試合を進めなければならず、
その上、日本が韓国戦で強いられたように大勝してもダメという複雑になる可能性がある。
得失点率で、大量得点が必要とかイニング数がとかを考えるのは、
試合の勝敗を争うべきスポーツにふさわしくない。
これは野球に限らない。
順位が並んだ場合の最終項目にコイントスという記載がある。
これの方が公平に思えるほどだ。
順位を決めるのに複雑なのは構わないが、得失点率とか、何点必要とかいうのがナンセンス。
勝敗のみにスポットを当てることが試合そのものをおもしろくさせる。