本当にデッドボールはピッチャーの非か。
デッドボールは悪くないと見ることができる理由の続きを記そう。
2025-10-24 デッドボールはピッチャーが悪くないという理由 謝る必要はない 再録
打者はぶつけられたときは、相手が誰であろうと一瞬血が上るもの。
身の危険に対する反抗心が頭に血を昇らせる。
コリジョンルールがない頃は、ランナーはブロックするキャッチャーに体当たりをよくしていた。
そもそも、コリジョンルールはこれをなくすために設けられたルールのはずだが、
ランナー有利のルールになってしまった。
体当たりする選手は外国人か体の大きな選手が多かった。
スマートな選手は滑りながらキャッチャーの下半身を狙ってぶつかりに行っていた。
ヤクルト・池山が一度、広島・西山をスライディングしながら弾き飛ばし脳震盪を起こさせた。
その後のカードでまた、同じように体当たりがあり、弾き飛ばされた西山は頭に血が上り
ボールを握った右手で背中を向けていた池山を殴った。
池山の方が西山より二つ年上だ。
年功序列の球界で年下が年上の選手に殴るということはまずない。
争いごとが少なくなり、仲良しこよしの傾向がある今のプロの世界では
もっとありえない出来事だ。
それだけ冷静さを失った西山は、一瞬でカッとなり手を挙げてしまったのだ。
清原がデッドボールに怒り、バットを投げつけた平沼も清原より年上だ。
これも、一瞬で頭に血が上ってしまった。
穏やかな性格の人間でも野球をしていれば興奮状態にある。
そこで予期していない身の危険に対しては怒りが発生するのだ。
これは、人間の本能であるわけだから悪いものでも抑えるべきものでもなく、
むしろ抑え込もうとするとプレーに影響が出てくる。
勝負に勝つための闘争心がそうさせるということだ。
だが、デッドボールは本当にピッチャーが悪いのか。
ピッチャーが悪いとされる理由は前回、ふたつ記した。
ひとつには競技性という観点からピッチャーは打者が打ちやすいところに投げてこそ良しとされ、
ストライクというご褒美がもらえる。
ストライクゾーンとは打者が打てる範囲に設定されている。
これによって競技性が保たれる。
ふたつ目に投げ損ないという観点から
デッドボールのほとんどが意図していないところに行ってしまった球だ。
つまり、ピッチャーには失敗の念があり、やってしまった、という感覚になる。
これらのことにより、頭に血が上っている打者にピッチャーは謝ってしまう。
ピッチャーが意図していないところに行った球を打者が空振りして三振にとったときなど
ピッチャーはガッツポーズができないものだ。
投げミスがたまたま、打者の技術がそれ以上に劣ったために三振がとれてしまった。
ピッチャーとしては不本意で気持ち悪い投球なのだ。
投げミスはピッチャーは気持ち悪い。
したがい、当ててしまった時など気持ち悪いを通り越して、しまった、すみません。
という気持ちになる。
西武・山川はチェンジアップに山をはっていた時に踏み込んだら、
体近くに来た球に当たってしまった。
本人は、あっ、当たっちゃった、と思ったのだろう。
ぶつかりに来たと抗議するソフトバンクのキャッチャー甲斐に「ゴメン」と謝ったそうだ。
甲斐は「もう~」と憤慨したとのこと。
このくらいはかわいいものだ。
アマチュアとプロではデッドボールに対する基準が違う。
プロは打ちに行って、後ろの腕に当たってもデッドボール。
後ろの腕に当たるということは打ちに行っているということで、
バッターとしては、ストライクに見えているということ。
スイングしに行って、途中で「あっこれは当たる!」と思ってもスイングは止まらない。
避けているようにもスイングしているようにも見える動きでも体に当たってしまえば
デッドボールと判定されることがほとんど。
バッター自身が振ってしまった、と思っていてもデッドボール判定になる。
バッターとしては恥ずかしい。
ボールが見えておらず、スイングしたのにデッドボールをもらえるから。
ピッチャーやキャッチャーは抗議する。
今のプレーはスイングしていたじゃないか、と。
抗議中、一塁にいる時、恥ずかしい。
俺振っていたけどな、それならスイング判定としてくれた方がまだいいな、となる。
たいして厳しいコースへの投球でなく、打ちに行き、途中でやめたのに後ろの手に当たるような
デッドボールには、ピッチャーとしは不満が残り、
「今のプレーは打とうとしたから当たったのじゃないか。それがデッドボールかよ」
という気持ちになる。
対して、高校野球などは、このような場合はファールとなることをよく見る。
この判定の方が理にかなっていよう。
デッドボールとされるより、ファールとしてバッター不利の方が、観ていてもスッキリする。
ただ、バッターは腕に当たっているのでファールとされて、打席が続いても
すぐには構えに入ることができない。
痛みが残るわけで、プレー再開しようにも、ちょっと待って、となるのだ。
打ちに行って腕に当たるようなプレーでもデッドボールとなるプロの判定と
スイングとする高校野球の判定。
さらに例を出しながら、デッドボールの非について次回へ続けよう。


