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プロだけでなく自己プロデュースは大事だった

昨日反響のよかった本田に関する話の続き。

 

プロたるものは自己プロデュース

 

あの時

W杯出場を決めた日本は恒例の全員出席による記者会見を開いた。

 

通り一辺倒の返答の選手、教科書のような返答の選手、

の中で本田は異彩を放っていた。

 

わざわざ名指しまでして、記者会見の場で言わなくてもいいようなことを述べた。

 

昨日この場で述べた

これも自己プロデュース、パフォーマンスの一環だ。

 

常日頃は多くを語らず、こういう注目を浴びる場面で特別な観点から

「余りいいたくないんですけど」

と前置きしておいて冗舌に語る。

 

そして言いにくいことも言ってみせる。

 

 

うまい。

 

 

もうずっと前から自分をプロデュースしているからこういうときもストーリーが出来上がっている。

 

あの場面で本田が他の選手のようにありきたりなことや優等生発言をしても何も響かない。

 

自分もさることながら、サッカー自体を、日本代表を、W杯を注目させる意図がある。

 

その発言内容が真意であるか、真実であるかそうでないかはかまわない。

ただメディアが食いつく物言いを意識している。

 

世間の目が最も集まる場面でこそ特異な発言をする。

批判も称賛もすべて飲み込んでやる効果を心得ている。

 

得てして選手はプレーで目立とうとして選手としての価値を上げることだけに尽力するが、

本田の場合、タレントとしてのブランディングも意識している。

 

これは中田に通ずるものがある。

 

中田も自己プロデュースがうまかった。

 

目立ついでたち。

多くを語らずここぞの場面で人が口にしないことを言い、中田ならではと言わせる。

W杯敗退時にグランドでしばらく寝転がって見せたパフォーマンス。

選手として衰える前に引退したこともそう。

商品としての価値を下げないための行動だ。

 

そして、

世界中を旅して職業・旅人と言っていることもブランディング。

 

こうしたことでカリスマ性が増すわけ。

 

思い浮かぶ中では

矢沢永吉や氷室京介、沢尻エリカなんかも唯一無二のブランディングでカリスマ化させている。

 

本来の自分とは違うもう一人の自分を演出し、

それが悪評だろうが好評だろうがどちらでもいいわけだ。

 

常識を逸脱したときにメディアは取り上げ人は注目するから。

 

選手、タレントに限らず、

職場や学校その他のコミュニティにおいてもイメージ戦略、ブランディングは大事だ。

 

いわゆるキャラというやつ。

 

あいつはこういうキャラだから言っても大丈夫とか

あいつはこういうキャラだから任せようとか。

みな意識しなくとも勝手にキャラができあがっていくものだ。

 

そこを意識して作り上げているのが本田だ。

 

虚構を操り現実に波を起こす。

これは楽しいだろう。

 

PKの場面もハンドの瞬間、格好のプロデュース場面到来ってことで

ボールをさっさと自分のものにし、俺が蹴るの意思表示をした。

 

そしてサイドに蹴るよりインパクトのある真ん中を選択した。

 

止められた時の批判と、決めたときの称賛どちらも世間が注目してくれる。

それを飲み込んで演出してみせた。

 

PKの映像が目に入るたび、本田は真ん中にしか蹴れないんじゃないかと

思えてもくるけど。

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