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一発牽制のビッグプレー

まだまだ余韻はつづく。

仙台育英-早実の準決勝。

 

ここまで投打ともに絶好調といった感じだった早実。

 

地方大会ですら評価は高くなく、

苦戦の連続だったにもかかわらず、

全国大会でベスト4まできた。

 

1回大会に出場し、100回目も代表になったこと。

王が始球式に登場したこと。

清宮が話題をさらったこと。

 

早実に風が吹いたととらえることができる。

 

そして

この試合。

最も注目するプレーが、

序盤の早実の攻撃、2死満塁4番加藤の場面での牽制アウトだ。

 

試合を決めたビッグプレーと言っていい。

 

早実としては、実力が劣っており、

リードされた展開でついていかなければ勝ち目がない。

 

仙台育英の郡司は、

「かなり練習を積んでいた。

ここぞの場面でやるため、あまりやらないようにしていた。」

 

そうなのだ。

こういうサインプレーは1試合で1度、いや1大会で1度しか

使えないプレーだ。

 

それは、一度見せてしまうと、相手が警戒するから。

 

だから、ここぞの場面でしか使わない。

 

守る仙台育英としては

セカンドランナーが油断している。

満塁のピンチに相手の攻撃を断てば、この試合勝てる。

勝てば、決勝に進む大きな試合。

 

条件がそろったので日頃鍛えた、サインプレーを敢行した。

 

これは、ショートからのサインだったそうだ。

 

ランナーの動きを見ていたショートが、

そのランナーが、油断しているなと判断した。

ランナーとしては、ワンヒットで還りたい心理も働く。

 

そこでショートは

キャッチャーへ

「くれ!」のサインを送る。

 

キャッチャーは、ピッチャーへショートが欲しがっているとサインを送る。

ピッチャーは、ランナー無警戒の振りをして、ランナーを全然見ない。

ランナーは油断する。

そこへ、ショートがベースへ走る。

キャッチャーは自分しか見ていないピッチャーへ「今だ!」とミットを

動かす。

ピッチャーは背後にショートが入ったことを伝えられ、振り向きざま

2塁へ放る。

 

一発牽制といわれるフォーメーションだ。

 

プロの場合は、情報戦でしょっちゅう同じ相手と戦うので

こういうプレーは1年で数度あるかないかだ。

 

シーズンでも1回か2回しか使わないようなプレーを

そのためにキャンプで反復する。

 

こういうプレーはここぞの場面でやり、成功すれば

その試合の命運を大きく左右する。

そのため、1勝を獲得するビッグプレーだ。

 

1勝が、優勝へとつながる。

だから、ほとんど使わないプレーでも意思疎通をしておく。

 

仙台育英の場合でも

チームとして意思が通っていたということであり、

鍛えられたチームである証明だ。

 

1度だけ成功すればいいこのプレーをまさに

その場面で成功させた快心のプレーだ。

 

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