以前に取り上げたプレーや戦略を実際の映像とともに確認してみる第2弾。
前橋育英2点リードの5回、ランナー1塁から左中間を破るも3塁タッチアウト。
ホームに還ってくる前に3塁でアウトとなっており4点目は認められなかった。
ギリギリのプレーで打者走者を責められないとは言え、
アウトになるなら時間をかければ4点目が入っていた。
1塁ランナーもホームへ滑り込み、次打者もランナーに指示する必要があるプレーだった。
こういうところもきっちりできるようになっておくことだ。フィールドにいるときだけでなく、
3塁コーチの指示や、ネクストバッターの指示も大事なプレーであり、
この時はこれが、1点をとるかとらないかを明確に示した。
対照的に常葉菊川-秀岳館戦での秀岳館4回の先制は、好走塁というより、回した3塁コーチャーの好判断であり、ナイスプレーだった。
そして、さらに今年も繰り返された走塁における愚行。花咲徳栄-樟南。
どうして5点差ある最終回にアウトになるかもしれないタイミングでホームまで走る必要がある?
この回は、1点とっても負け。5点を取らないと意味のない回だ。3塁コーチは止めていた。
ベンチ入りメンバーにこの程度の常識もないチームが甲子園まで来ている。
そして、その後の盗塁の必要もまったくない。
成功してガッツポーズをしているが、走ってはいけない場面。ランナーを溜めなきゃいけない場面で2人の暴走。
これらの走塁を見た瞬間、この程度のチームかと相手は安心する。見下して野球ができる。
鹿児島では昨年の決勝でも、幕切れはこの暴走だった。そして今年の甲子園決勝の幕切れも北海の3塁暴走だった。
秀岳館-常総学院。3回裏、秀岳館二盗成功の場面。打者が空振りしたあとホームベースをまたぐ格好になった。
常総の捕手は主審に守備妨害ではと確認しているようだった。送球がまともに行っているので守備妨害はとってくれない。
これが送球がとんでもない方向へ行ったり、打者にぶつかりに行き、投げられないフリをすればとってくれるだろう。それもひとつの高度な技術。
秀岳館-北海の準決勝。
格上の秀岳館に先制されたくない北海。先頭が3塁打。立ち上がりはどのピッチャーも難しい。
1,3塁から2盗失敗。3塁走者もワイルドピッチに本塁アウト。0点に抑えた。この二つのプレーがとてつもなく大きかった。北海が初の決勝進出できたのもこの二つのプレーと言える。
総合力では、秀岳館の方が上だっただろう。最も難しい立ち上がりを凌いだことで接戦に持ち込めた。
秀岳館としては、リードされる展開で焦りもあったろう。
準決勝ではこれまで連投してきた作新・今井、明徳・中野、北海・大西と皆、立ち上がりが悪かった。
たたでさえ立ち上がりの調子をつかむことは難しい上、疲労が重なっている。
トーナメントを勝ち上がるのは連戦の立ち上がりが最も大事となってくる。チーム作りは、ここを重要視すべし。