いよいよ今日は98回目のチャンピオンが誕生する。
沖縄が6月に開幕し、東京、神奈川、埼玉の地方大会を観られる限り観続け、
約2カ月に及ぶ、ドラマを追いかけてきた。
ベスト4の2試合を振り返ると
作新学院-明徳義塾。
この場では、明徳勝利とした。
しかし、試合は終始作新が力で押す展開となった。
明徳は序盤に失点してしまい、苦しくなってしまった。追いかける展開になると
一方的になる可能性があり、なんとか接戦に持ち込みたかったところだ。
中野の立ち上がりは球速はあるように映った。
中野は、力投タイプではなく、シュートとスライダーを横に散らすタイプ。
その投球術でここまで無失点で来たのだが、序盤、変化球が抜けてしまい
甘く入ったところを痛打されてしまった。
一方の今井も立ち上がりばらつきがあり、不安定な立ち上がりだった。
疲労が蓄積するこの段階での試合では、どのピッチャーも立ち上がりが不安だ。
それでも今井は
ランナーを出した時、あるいは勝負にいった時の真っ直ぐは力を入れて速くなっていた。
初回、一塁ベース上で接触のあった明徳3番打者西浦は懐の深い好打者。呼び込んで打てる。
今後の野球人生が楽しみな1人。
北海-秀岳館。
この場では秀岳館を優勝としていた。
一気に攻め込めば、この試合ワンサイドになる可能性もあるとみていた。
北海としては格上の秀岳館に先制されたくなかったはずだ。
中野と今井同様、北海・大西も立ち上がり不安定であり、先頭に3塁打を許す。
しかし、秀岳館は1,3塁から2盗失敗。その後、3塁走者もワイルドピッチに本塁アウト。
この試合最大のポイントとなった立ち上がりだった。
ここで失点していたらビッグイニングになった可能性もあったが、0点に抑えられたことは
北海にとって大きかった。
そして、絶対に欲しい先制点を大黒柱大西のバットで得ると、さらに追加点で3点先取。
秀岳館はこの夏初めて先制を許した。
大西はもともと4番打者。初戦に受けた死球の影響でうしろを打っている。
特別な球があるわけではない大西を秀岳館は打ちあぐねていた。
先制されて焦りもあったのだろうか。
3点差の終盤にライト前への打球を北海は、後逸の間に打者走者まで生還させてしまった。
この場面で最もやってはいけないミスが出て、北海としては嫌なムードになったが、
大西が粘り、秀岳館を振り切った。
創部116年の古豪・北海が37回目の夏甲子園で初の決勝へ。
熊本初の優勝を目指した秀岳館は全ナイン、涙が止まらなかった。
今日も完投した大西。ここまで来たら決勝も大西だろう。連投のその体が心配だ。
センバツ4強では智弁学園が2回戦敗退、高松商と平安が予選で敗退。
秀岳館だけがセンバツに続き4強入り。もっとも安定した成績を残したチームということになった。
北海は準々決勝の相手が聖光学院。初戦で同じ北海道のクラークが負けていることから
その分まで戦うと誓っていたそうだ。
秀岳館はピッチャーの順番が替わっていたらまた違う展開の試合ができただろう。
今大会は11番の2年生ピッチャー・田浦の投球内容が良かったように思う。
その田浦は試合ではクールに投げていたが敗れてこらえきれず、涙。
それを同じように涙のキャプテンに言葉をかけられていた。
「俺らの分も甲子園で優勝してくれ」
決勝は、作新学院と北海ということになった。
ベスト4時点でのこの場での予想はまったくハズレということになってしまった。
決勝は、戦力に勝る作新学院が有利だ。
北海は大西頼みということになろう。
作新は今井以外にもピッチャーがいるのでここでも有利。
大西はここまで一人で投げ続け、男前で人気があるので優勝すれば
ハンカチ斉藤とダブる。