毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

栄冠は作新学院に輝く。優勝は栃木。

作新学院が春夏連覇して以来54年ぶりの優勝となった。

準決勝ではこれまで連投してきた作新・今井、明徳・中野、北海・大西と皆、立ち上がりが悪かった。

たたでさえ立ち上がりの調子をつかむことは難しい上、

疲労が重なっているから連投のピッチャーは大変だ。

 

決勝も最大のポイントは序盤の攻防になる。特に大西の立ち上がりが最大のポイント。

大西が序盤に崩れればワンサイドもある状況で先制されたくない北海は初回のゲッツーは大きかった。

さらに2回にジャストミートされた打球を北海センター鈴木が好捕し、その鈴木が先制打。

どうしても欲しい先制点をあげた。

だが、この後のヒット性の当たりをショートに横っ飛びで阻まれてしまった。

ここで追加点を取れていれば、その後の展開に大きく影響を与え、大量リードを許さず、

後半勝負に持ち込めたかもしれないので勝負のアヤはいつも一瞬のわずかな差が引き起こす。

 

この鈴木は、飛球の追い方を見るととてもうまい外野手だった。特に後ろの打球に反応速く、

落下点での振り返る捕球体勢がうまい。

バックが大西を盛り上げ、守り抜かなければ勝ち目がない北海。

バントの構えから打ちに行く北海の各打者。

今井対策のこの意図はなんだろう?

その昔、作新・江川にもバスターで活路を見出そうとしたチームがあったそう。

 

そして、立ち上がりストライクがとれない今井。疲れがあるか。立ち上がりは準決勝同様苦しかった。

今井はランナーがいない時、長くもったらストレートを力を入れて投げてくる。

今井はセットポジションに入ったグラブの位置が高い。そこで球種がわかる癖があった。

 

そして、勝負を決めた4回。

打ち取った打球をファーストが捕球できず、さらにファールゾーンへ転がる打球はフェア判定。

大西にとってはダブルで精神的につらく、大きな勝負の分かれ目となる打球だった。

気落ちした大西をとらえだした作新打線は、一気呵成に攻め試合をほぼ手中に収めた。

大西は4回、アウトをとれず降板となった。

 

作新は、優勝候補の一角にあげられ、

尽誠学園、花咲徳栄、木更津総合、明徳義塾、北海といった

名門校、好投手を擁するチームを力で上回り、王道を行き優勝した。

なんといってもプロ注目の投手・今井の存在が大きく、高校生ではなかなか点をとれない投球をみせた。

できれば、履正社や横浜といった大型の総合力があるチームとの一戦が見てみたかった。

 

北海高校は、創部116年で全国最多37回の出場で88年ぶりのベスト4から初の決勝進出。

88年ぶりというこの伝統に感服し、紡いできた歴史に大拍手。

作新も創部114年。しかも初の春夏連覇をしている。

98回は超伝統校同士の決勝戦だった。

 

北海は戦前、評価が高くなかったが、勝ち上がって来られたのは

松山聖陵、日南、聖光学院、秀岳館と僅差の試合を4連投の大黒柱大西のピッチングに尽きるだろう。

おそらく北海の選手は、ここまで来られるとは思っていなかっただろうからやりきったことだろう。

最後は大西も力尽きた感じだ。

ただこれだけの古豪のチームが

6点差の最終回に3塁へ走って刺され、ゲームセットというのは、残念だ。

走る必要などまったくない場面でのこの基本を歴史あるチームができていないとは。

 

これで全てのチームが新チームへと移行する。

ベスト4で去った試合巧者・明徳の馬渕監督は

「秋は自信がある。まあ見とってください。おもしろいピッチャーもおるから、春は絶対に優勝します。負けるたびに明徳は強くなる」だそうだ。

この発言は興味を惹かれる。

明徳の新チームの戦いを注目してみよう。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP