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この甲子園、印象に残る選手たち。優勝投手今井。

甲子園大会が終わり、決勝を戦った作新学院と北海高校はそれぞれ帰郷し、

地元の歓迎を受けたようだ。

これからは秋の大会へチームは動き出す。いや、すでに動いている。いや、すでに大会中のところもある。

 

最近の高校生のレベルは著しく高くなっていると感じる。

彼らがさらに上のレベルで野球をやることで日本の野球レベルがあがり、

今、現役のプロ野球選手が彼らを迎え撃つことになる。

10代の彼らが、さらに実力を伸ばすことで

30歳過ぎでこの高校野球のレベルを経験していないプロ選手は淘汰されていくだろう。

最近の小、中学生から高校生に至るまでのレベルの高さから

プロ野球選手のレギュラーはどんどん若返っていくことが予想される。

10数年前に甲子園で活躍し、プロへ行った選手たちはどんどん通用しなくなるだろう。

 

地方大会から見続けて、印象に残る選手をピックアップしていきたい。

 

まずは、この大会で最も名を売った作新エース・今井。

 

今井の特長は何度も甲子園にどよめきを生んだ速いストレートとそれを生かした切れの良いスライダー。

MLB球団も視察に訪れるほど将来性豊かなピッチャーの今井は、

本人が大谷の投げ方を参考にしていると言っているように明らかに真似ている投球フォームだ。

 

3回戦であたった花咲徳栄、準々決勝であたった木更津総合の各打者は

速い球が意識にあるのでスライダーが見えていない状況が続いていた。

おそらく、経験のないほど鋭いスライダーだったのだろう。

真っ直ぐ自体、これだけの球を投げる高校生はほんの一握り、他にいないとも言えるほど。

その真っ直ぐに意識が行けばいくほど、同じような軌道で変化しては対応できない。

真っ直ぐと思って振ったら急に曲がりボール球になってしまうのだ。

ワンバウンドになるようなボール球でも多くの選手が振らされていた。

しかも、浅いカウントで、絞って打って行っていい場面で振る必要がないのにもかかわらず、

ボール球を振ってしまうのだ。

このことからもストレートとスライダーの見分けがついていないことがわかる。

真っ直ぐに絞っているのにファーストストライクを打ちに行ったら、

そこからキュッと曲がり空振り、ハーフスイングとなる。

経験のないような変化球を見たとき、打者はよくこういう空振りをすることがある。

真っ直ぐを待っているところに、その真っ直ぐに見える球を打ちに行ったところ

さあ捉えようとしたそのボールがキュッと曲り、ワンバウンドのボール球になるというわけだ。

 

花咲徳栄の打者は内心

「こんなに曲がるのか」

と思ったのではないだろうか。

 

今井は小さく曲がるカットボールを多投する。

いわゆるスライダーよりこちらの方が多かった印象だ。

大きく曲がるスライダーはストライクになる確率はそう高くないように感じた。

となると大きく曲がるスライダーは 捨てていい球。

しかし、真っ直ぐに見えてしまい振ってしまうのだ。

経験し、慣れればバットも止まってくるのだが、1試合の中で対応するのは難しい。

木更津総合の監督も低めのスライダーに手を出すなという指示だったそうだが、

手が出ちゃうもの。

 

今井はランナーがいない時、長くもったら真っ直ぐには力を入れて投げてくる。

脚をゆっくりあげ、タメをつくる意識で力を入れてストレートを投げ込むのだ。

それから

今井はセットポジションに入ったグラブの位置が高い。

そこで球種がわかる癖があった。

試合中その癖を発見し、それ以降は球種が100%に近く当たった。

 

今井はこの甲子園の活躍で1位指名に手を挙げる声も聞こえる。

寺島、藤平、高橋がBIG3と言われていたが、終わってみれば最も評価

が高くなったともいえるほど。

日本代表にも選ばれ、国際戦でも活躍すれば競合指名にもなり、契約金もどんどん上がる。

甲子園という超人気ドラマコンテンツは高校生の商品価値を一気にあげる。

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