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プレー解説、技術後継、広がる野球の未来Ⅱ

この夏、目にしたプレーと作戦の深掘りを続ける。

 

茅ヶ崎高校・渡部が1,3塁で1塁牽制の間にホーム生還という光るプレーを見せた。スキをついたというより次のプレーを予想し、相手の動きを見逃さない集中した最高のプレー。

しかもリードされている状況でとても勇気のいるプレー。1,3塁の状況で牽制の間にホームへ突っ込むという作戦は、高校野球では割とオーソドックスになってきている。

この場合は左ピッチャーという条件の時、左ピッチャーが、ゆっくり脚を上げたら、牽制ありということでリードオフをとり、牽制した瞬間、3塁ランナーが突っ込む。

右ピッチャーの場合は、1塁ランナーが飛び出し、そのまま盗塁でもいいし挟まれて、3塁ランナーが突っ込むという作戦だ。

 

バドミントンダブルスオリンピックチャンピオン松友は、野球をしていたお父さんに教えを受けた。

1つは「シャトルを指で打て」。実際の手はグリップを握るだけで、シャトルに触るのはラケットの先だが、野球でグラブの中の指が硬球をつかむように、ラケットの先に指があるよう意識して打つよう言い聞かせたそうだ。

同じように野球でもゴロを捕る練習に小さいグラブを使ったり、捕りにくいグラブを使ったりして手で捕る感触を養う。

腕は、胸や背中からすでに腕と捉え、カーブは肩甲骨を抜くイメージで大きく振る。など小手先だけでなく体全体を使ったプレーが速い球を投げられたり、強い打球が打てたり、遠くへ投げられたりという基礎体力技術を向上させる。

 

この夏、ベスト4で作新学院に敗れた明徳義塾。馬淵監督は、今年の春はおもしろいと言っていた。絶対優勝するとまで言っていた。その通り、秋は勝ち上がり、現在、高知でベスト4まで来ている。

その明徳は24年前、松井を5打席連続敬遠して一気にヒールとなった。たしかにあの時はランナーいない状況でも敬遠して、この戦いに意味があるのかと思った。

今の成熟した目で見るとおもしろい戦術だと思う。

高校野球は教育の一環を標榜している。教育の一環でなくとも、勝利を追求することは選手の人生に大きな教訓をもたらす。

そもそもスポーツは、勝利を追求することから成り立っている。その作戦を選手がどう捉えて、どのように遂行するかを考えて実行すれば、とても意味のある作戦だ。

今までやってきたこと目標を成就するために動き、そのために立てた戦術や作戦や方法を実践することは教育そのものだ。

今年、西東京を初めて制した八王子は清宮擁する早実とぶつかった際、1打席目から清宮を敬遠してきた。

点差が開いた場面のみ勝負に行き、基本、勝負を避けていた。選手がみな、初めての甲子園をつかむため執念、気迫、気合をもって大会通じ戦い、集中力が最後まで切れなかった。

絶対勝つ。という気迫でこの作戦も遂行してきたのだ。 監督の采配が冴えた八王子は大願成就した。

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