毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

センバツを振り返る 印象に残るプレー 初の大阪決戦

www.facebook.com

https://twitter.com/yakyucolumn

センバツは、大阪桐蔭が圧倒した。

エースの力が高いことや戦力が豊富なことから春夏連覇の可能性が現時点でも高く、

さらに2年生のスーパースター軍団がいることから、その先の連覇も視野に入れる。

 

高校野球は、毎度のことながら名門と言われる高校でも甘いプレーが目につく。

晴れの舞台で目立ちたいとか、緊張などでいつもより浮足立つのはわかる。

そして高校野球にはセーフティリードがない。

そんな理由はあるが、鍛えられたチームならしっかりした野球を目指したい。

 

ベスト4の戦いで秀岳館-健大高崎というレベルの高いチーム同士では、

秀岳館は、7点差あるのにバックホームが大きく逸れるプレーがあった。

自分の肩を知り、刺せるタイミングかどうかを日頃から知る必要がある。

まず刺せないタイミングなのに一か八か、というより無茶な返球は

自分の実力の程をわきまえていない。

状況から考えて一か八かノーバウンド返球する場面ではない。

そして、刺しにいくならカットの頭の高さに投げ、進塁を許さないことがその先を見るプレーとなる。

打者走者の2進を許さないということ。

 

そのあとも点差があるのに、

2塁にランナーを置き、ショートが牽制にチョロチョロ動く。

外野が前に来る。これは長打のない2番打者だからわかるものの、極端な前進守備はいらない。

 

健大高崎は、6点差ある8回に内野ゴロ一塁送球の間に3進しようとして刺される。

危険を冒して1点を獲りに行く場面ではない。

この無駄なプレーで3塁手と走者が接触し、担架で運ばれる事態になってしまった。

秀岳館の監督は、怒り心頭の表情でベンチから飛び出してきた。

けが人がでるほど切迫した試合展開でないのに何してくれてんだっていうことだ。

 

健大高崎の野球は、おもしろい。

引き分けになった試合では、

2,3塁から2塁ランナーがわざと挟まれて3塁ランナーが突っ込むプレーを見せた。

これは、2塁ランナーが引っかかったふりをしなければいけない。

というのも、引っかかったふりをせず、そのまま挟まれたとして3塁へ走ったら

ベースカバーの野手は追いかけながら目線に3塁ランナーの動きが見えてしまう。

引っかかったふりをして戻りながらも、タッチアウトを喰らわない走塁をする。

すると、野手はその近くの引っかかったふりをしている走者に目が行き、

3塁ランナーが視界から消える。そこを、3塁ランナーは、突っ込み一点をもぎ取るのだ。

こういったことを含め、塁を進めるバリエーションをもっており、

打つだけでなく得点するという発想はやめているおもしろい野球だ。

 

だが、これも点差やイニング、相手の力量といった状況によってプレーを選択しなければいけない。

 

秀岳館は、その健大高崎の足をさほど警戒していなかったそうだ。

クイックを使って1.3秒をクリアしてれば、必要に警戒しないでいいという考え。

これは、経験、鍛えられたチームの戦術であり、考えられた戦略だ。

 

健大高崎にしても秀岳館にしても選手のレベルが高く、こういった例からも

深い戦略をもって試合を展開しようとするのはさすが、名門だ。

それだけに、基本となるプレーも疎かにせず、甘いプレーを反省し、潰したい。

 

何もこの2チームだけに言えることではなく、多くのチームに言えること。

たまたま、ベスト4でレベルの高い2チームで目についたので取り上げた。

 

ただ、これは春の大会だ。負けても夏がある。だから、練習の場としてとらえ、

点差やイニングにかかわらず、いろいろなプレーを試したいという思惑があったこともある。

秀岳館にしてみれば、実力の差がわかっているから勝ちは間違いない。

練習の場に使っていたという見方ができ、健大高崎は試合をあきらめ自分たちのスタイルで

高度な技術をもつ相手がどんな反応をするかを試したという見方ができる。

9回ワンアウトからも2盗していることから、それは明らかだ。

 

健大高崎は試合をあきらめ、秀岳館は勝ちを確信したということだ。

これが夏の最後の大会だったら、こんな戦いはしないだろう。

www.facebook.com

https://twitter.com/yakyucolumn

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP