毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

さあ、チャンピオンを決めようじゃないか 広陵‐花咲徳栄 花咲徳栄が埼玉へ優勝旗を持ち帰るか

www.facebook.com

https://twitter.com/yakyucolumn

準々決勝の勝ち上がりは、この場で予想した通りの4チームだったが、

昨日の準決勝は、予想した2チームが共に負けてしまった。

それでも、試合展開は昨日この場で記したとおりだった。

 

天理‐広陵

天理打線は強力であり、10点獲られれば10点獲り返してくれそうな打線だ。

しかし、10点獲ってあげても11点獲られる可能性がある。と昨日記した。

その通りの10点勝負。広陵が12点を獲って振り切った。天理は10点に1点足らない9点だった。

天理が点を獲る以上に、広陵が、投手力の高くない天理投手時から点を奪った。

 

戦前の予想として、この場で昨日、

強力天理打線が広陵投手陣からどれだけ点を獲るのか。

さほど強力ではない広陵打線が、強力でない天理投手陣からどれだけ点を獲るのか。

不安が残るが、頑張りを期待したい広陵投手陣が天理打線をどこまでの失点に食い止めるか。

おそらく天理打線は点を獲ってくる。

広陵打線も点を獲ることができるが、それを上回ることができるのか。という展開を予想した。

 

結果はその通りで広陵打線が上回ったというより、

天理の投手陣が、味方が点を獲ってくれる範囲内に粘ることができなかった。

広陵側からすれば、天理の攻撃を何とかしのぎ、打線が点を獲ってくれた。

なんと言っても中村だ。中村一人がいないだけで、逆のスコアになっていた可能性がある。

甘いところに来た球を確実に強く振り、強い打球となった。

 

早実・清宮の通算本塁打は、記録として語り継ぐべきものではないが、

甲子園という大舞台での大会本塁打記録更新は、将来に渡って語られる記録だ。

 

清原は、プロでの期待以下の活躍で評価を落とし、

引退後の犯罪でかつての栄光を完全に汚した。

清原の栄誉を保ってきた大会5本塁打が32年をかけて、ついに更新された。

清原の名がまたひとつ取り上げられなくなっていく。

 

7回ツーアウト満塁での中村の打席での勝負は見ごたえがあった。

前の打席で敬遠の作戦だったが、満塁で勝負の場面、両者気合が入りまくった良い勝負だった。

 

強力天理打線相手に広陵先発・山本は、5回途中までで4点、

ランナーを残したところで降板した。

しかし、ファーストに入り、この後の再登板があり得る采配だ。

やはり、ここでも昨日予想した通り、投手スクランブルで対抗していく広陵。

 

天理は4,5回の攻めが悔やまれる。

4回は、2点を獲ったあとノーアウト3塁からスクイズがファールになり、

後続3人が、前進守備の内野ゴロが2つ、そして三振に倒れてしまった。

5回、山本から平元に代わった直後のスクイズは、キャッチャー小フライとなりゲッツー。

キャッチャーの中村が捕ってすぐサードへ投げていれば、

あるいは先にファーストを殺していたら、トリプルプレーが完成するプレーだった。

ただ、3塁ランナーがすでにホームまで到達していたので、慌てて投げなくとも

サードは刺せる。だからゆっくりと安全に送球した。

これは、野球のセオリーでもある。

飛び出したランナーを刺すときは、間に合う範囲で安全に送球するというもの。

1塁走者のことまで考えられなかったと言っても責められない。

 

4,5回にうまく攻められていたら天理の大量リードもあり得た。

 

天理は打線でリードをして、なるべく先発・碓井を引っ張りたかったが、

5回を終わって同点、6回にエラーも絡みノーアウト2,3塁とされたところで、

たまらず継投に入った。

引っ張り出されてしまった形であり、

攻撃と守りでピッチャーを援護できなく、投手陣に負担をかけてしまった形だ。

天理は、試合運びが思い通りには行かなかった。

しかし、それが勝負であり、ゲームであり、高校野球の一発勝負だ。

 

天理の打線は、敗れたと言え、やはり強力で見事だった。

8回無得点で3点差は、まずいという雰囲気になるところだが、

最終回3点差のままなら、まだまだいけると思わせる打線であり、

最終回3点獲られ6点差とされたところで、さすがにここまでかと思いながらも、

いや、天理打線ならまだわからないと思わせられた。

その通り、5連打で一気に2点を返し、さらに押し出し、満塁と最後まで相手を追い詰めた。

天理の打線は今大会NO.1だったように思われる。

対照的に投手力が全国レベルでは弱かったので全国制覇に至らなかった。

 

花咲徳栄‐東海大菅生

似たようなチームカラーの印象を受ける両チーム。

東海大菅生先発は、エース松本。立ち上がりの初回、球が走っていないように映った。

その分、フォークボールを有効に使う配球にして、粘る投球を見せていた。

キャッチャー鹿倉が強肩を見せ、盗塁を許さない。

ワンテンポ遅れ、握りなおしても強い球で刺す。

広陵・中村同様勝ち上がるには、このキャッチャーの肩というものが不可欠だ。

 

序盤から中盤は、菅生が押しながら、花咲徳栄が食らいつくという展開だ。

花咲徳栄の監督は戦前、打ち合いになると言っていたようだが、そうはならないと思われた。

徳栄打線は、これまで打率が高く得点が多いが、強力打線というわけではない。

菅生が打ち込むということはあり得ても、花咲徳栄が打力で圧倒するという試合にはならない。

だから、花咲徳栄としては、先に点を獲っていき、逃げ切りたかった。

追いかけるのは苦しいと思われたが、とられたらとり返し、食らいついた。

 

3回、同点に追いついた西川の走塁は好走塁というより暴走気味だ。

タイミングは刺せた。ライナーをはじいたサードが追いかけるボールの行方と

ホームへ走る西川がキャッチャーと重なり、送球がしにくくなった。

これのおかげでストライク返球できなくなった。

それも計算に入れて西川が走ったのなら好判断だが、そうは見えなかった。

ただ、ボールを追う三塁手と走者の西川が接触しそうになり、西川はスピードを緩めた。

スピードを緩める前から、一気に本塁を狙って走っており、

前へ前へ走る意識がある西川にとっては、ぶつかりそうになったからと言って

突入をあきらめるという切り替えには至らない。

ここは、勢いに乗って多少、暴走気味でも突っ込んでいい場面でもある。

 

逆に、菅生には、先制点の田中のホーム突入のナイス判断があり、

最終回、同点に追いついた走塁では回したコーチのナイス判断。ランナーは最高の走塁。

菅生の走塁は好判断。

 

花咲徳栄は、苦しい展開がゆえに同点の4回、ランナーを残した形で

日本代表に名を連ねるエース・清水を登板させた。

もうこれ以上、徳栄に打つ手はない。清水に賭ける。

菅生は、7回で西東京大会のエースナンバー・戸田が登板。松本より球威がある。

テークバックで肩のラインを上げ、球速を出すパワーピッチャー。

球が速いので、早いカウントでストライクを稼ぐことができれば、ボール球のスライダーも

打者は振ってしまう。

 

東海大菅生が10回裏、先頭が出塁して100%送りバントと言ってもいいこの場面で

清水は、初球ど真ん中にストレート。難なく、送りバント成功を許した。

ここは、間をとったり、けん制を多くしたり、フォークで入るなどの

冷静で高度な試合運びが求められた。ツーアウト2塁からショートの横っ飛びでサヨナラを

防いだが、ひとつの塁を大事にしたい。

 

さあ、数時間後の決勝だが、勝敗は、ピッチャーの消耗度、ピッチャーの出来につきる。

野手は連戦でも良い結果を残すことが可能だが、

ピッチャーは、へばっている状態で良いピッチングはできない。

 

広陵の投手陣は不安だ。相当消耗しており、余力がないだろう。大量失点もある。

ここまでの広陵は、

予選準決勝で広島商、決勝で広島新庄。

甲子園に来てから、中京大中京、秀岳館、聖光学院、仙台育英、天理と対戦してきた。

伝統校、常連校、強豪校ばかりを相手にしてきた。

 

対照的に花咲徳栄は、甲子園で接戦になったのは、準決勝が初めてだ。

予選では、浦和学院との決勝戦で奪った5点は押し出し2つを含むタイムリーなしのものだった。

大阪桐蔭や秀岳館や横浜といった大型チーム、

智弁和歌山や明徳その他の伝統校との対戦がなく、去っていてくれ、勝ち上がるには恵まれた。

前橋育英戦は、皆川が先発した方がいやだっただろう。天理の強力打線とも対峙しなかった。

これが、トーナメント戦の妙だ。

 

一昨年の東海大相模は、どこと当たっても実力で突破して、実力NO.1がその通り優勝した。

昨年の作新は、今井の絶好調と強豪が潰しあった。

花咲徳栄は4日目の強豪潰しあいに象徴されるように、ラッキーな組み合わせだ。

そして、決勝の相手も天理より広陵の方が、与しやすい。

 

花咲徳栄が、関東で唯一優勝のない埼玉へ深紅の大優勝旗をもたらすか。

初の戴冠へ、監督はすでに準決勝の勝利インタビューで涙を見せていた。

厳しい戦いをものにした選手達に感動したのではないだろうか。

 

両チームともさほど高度な野球をやるチームではない。

www.facebook.com

https://twitter.com/yakyucolumn

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP