近江投手陣に注目が集まる中、
2番手で登場した小柄なサウスポー・林のチェンジアップに右バッターがクルクル回る。
チェンジアップと言うが、握りと変化を見ると、スクリューボールだ。
まあ、スクリュー、チェンジアップ、ツーシーム、シンカー、パームなどは本人次第で、
本人が言えばそれが球種になる。そして、打者に与える効果も同じ場合が多い。
その林のスクリューは、腕を振って投げる。
真っ直ぐと同じ軌道で打者には近づき、右打者が「よしっ!」と思って打ちに行くと
そこから沈む、外へ逃げるといった球で、右打者が見極め出来ない。
ワンバウンドする球やベース盤の外に逃げていく球も振ってしまうのは
真っすぐがど真ん中に来たように見えるのだ。
対して、前橋育英のエース・恩田は、小さい体ながら球もまあまあ速い。
この速い球で詰まらせることができるのは、コントロールが良いからだ。
多彩な球種をコントロールよく投げ込む。
コントロール良く、球種を投げ分けるので真っ直ぐにも詰まってしまう。
ナイスピッチングだった。
昨日のタイブレークになった星稜-済美は、大逆転で盛り上がったが、内容としては粗い部分が
目につき、緊迫したものとは言いづらかった。
この試合は、両ピッチャーが好投し、バックが日頃鍛えたナイスプレーで助けるという、とても
いい試合だった。
特に最高のプレーが、8回裏のバントゲッツー。
恩田のバント処理は天下一品。自信があるのだろう、迷いなくセカンドヘ送球していた。
このプレーを見ただけでも、この試合を観た価値がある。
今大会のNO.1プレー。というよりこれ以上のプレーはできない。
9回裏、決着したのは先頭打者をセカンドエラーで出してしまったものだ。
9回に入り、グラウンドはかなり荒れており、セカンドとしては捕りづらいバウンドだった。
後半、両チームにエラーが出てしまったが、総じてレベルの高い、拮抗した好試合だった。
ナイスゲーム。
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