日大三は、甲子園初登板の2年生広沢をこのベスト8をかける一戦で先発させてきた。
層の厚い戦力だ。
いつものように大型チームの日大三。好投手のいるチームに細かいことをやられると、もろい面が
ある。平安としては、小寺が抑えていくしかない。
毎年、しっかりした緻密の野球をやるチームをつくる平安が先にエラーを犯した初回。
平安の悪い試合運びが目立つ序盤。
2回はバントをフライにして送ることができなかった。
そのあと、取り返そうと変化球カウントで盗塁も失敗。
3回は先頭バッターをファーストのエラーで出した。
平安らしくない。
日大三は、3回にホームランで先制すると、連打で2点目。
小寺対策をチームで固めてきている。
真っ直ぐはあの程度の球威なら、今まで腐るほど対戦経験があろうから、その球を狙う。
小寺の得意のスライダーは、低めを一切捨て、高めに浮いてきた場合だけ打ちに行く。
気持ちよくスイングしている。
ただ、終盤のどうしても1点が欲しいような場面になると、ワンバウンドになるスライダーや
外へ逃げるスライダーを追っかけてしまっていた。序盤の落ち着きを失したのだろう。
平安のしぶとい打線なら、日大三投手陣を捉えられると思ったが、広沢に見下ろされて投げられていた。
それでも平安は、5回にチャンスをつかむと、ワンアウト2，3塁からゴロで1点を獲ってきた。
細かい野球だ。そして、8番小寺が詰まりながら外野の前に落とす。
平安らしい。日大三とは対照的な点の獲り方で追いついた。
だが、平安の真髄は守りにある。
5回、先頭で出たランナーを、ここはバントが考えられる場面。
牽制で1塁ランナーのスタートを遅らせておいて、変化球を投げ、バントしにくくさせる。
これは、バントすらやらせない投球に見えた。だが、ピッチャー前に転がると
執拗な牽制をしておいた、1塁ランナーを2塁で封殺した。
バントすらさせない投球をしながらも、バントされた時、2塁で刺せるよう牽制をしておいたのか。
8回、平安の攻撃、ツーアウト1，2塁からセンター前に抜けようかという緩い打球をショートが
追いつき、2塁へトスした。しかし、間に合いはしないタイミング。
これにセカンドは目一杯、体を伸ばしアウトにしようとしたが、ハナから無理のタイミング。
平安は、2塁ランナーをそのまま、ホームへ突っ込ませた。
ボールを持ったセカンドが本塁へ送球。
このプレー、セカンドは良く反応したとも言い切れない。
元々、セカンドフォースプレーは無理なタイミングであり、2塁ランナーがホームへ突っ込むことは
頭に入れておかなければいけない場面。それにしては、送球まで時間がかかっている。
悪い体勢の中、ストライク返球した送球は良かったが、ファインプレーではない。
したがい、平安から見たら、スキを突いた走塁とも言い切れない。暴走に近い。
8回の日大三の攻撃、2死1，2塁からボテボテのファーストゴロに打ち取った。
しかし、この日、守りでミスをしているファーストは前に出ず、大事に行ってしまった。
打球が全然、来なく、焦り手につかず満塁としてしまった。
そのあとは、インターフェアだったが、ファールの判定。
バッターもアピールすべきだった。自分でわからなかったのか。
結局デッドボールの押し出しで勝ち越した日大三。
日大三は西東京大会を苦労した。
逆に甲子園に来てからは、相手に恵まれ、楽に勝ち上がることができた。
ここで過去、甲子園で1勝1敗の名門対決に、初めて苦しい戦いとなった。
投手陣の調子が上がっている日大三は、巡り合わせ次第で、今後おもしろい。
ベスト8が出揃った。
高校野球最高レベルの戦いはおもしれー。
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