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日本シリーズ第2戦 松田の先制ホームランは脚が生んだもの

松田の先制ホームランは脚が生んだものだった。

デスパイネのサードゴロエラーで出塁すると、周東が代走で出てきた。

接戦の終盤で警戒された中でも走ってくる脚のスペシャリストに当然の

ことながら気を遣う。

接戦だから1点もやりたくないという心境が打者への攻めを甘くする。

 

配球も制球も甘くなり、そこでエンドランが成功し、1,3塁となったところで

巨人バッテリーはどう考えたか。

1点は仕方がないとしたか、それとも1点もやれないと判断したか。

どっちにしても開き直るまでにはならなかった。

結果、優位の立場に立った松田が思い切って外野フライを打ちに行った打球は

フェンスを越えた。

 

展開がホームランを生むということだ。

打線の巡り、点差、ピッチャーの疲れ、この場面ではこの球を投げるしかない、

打たれてもいいと投げる場面、など。

 

「スラムダンク」で、唯我独尊の流川は、沢北に1対1の勝負を挑んだ。

抜きにくることしか頭にない流川に対する沢北は楽だった。ことごとく阻止した。

その後、流川はパスを選択するようになる。

すると、プレーに幅が出て、相手は何をしてくるかと迷うことになる。

すると、一瞬の対応が遅れる。

安西先生の

「2本のパスは布石」「あれで沢北君の頭にパスもあると入った」「一つに絞れないから考える」「ディフェンスは考える」

そして

「今度は抜ける」

 

この松田のホームランは、周東の脚を警戒して、1,3塁としてしまった巨人が

初戦を落としている状況で、終盤の接戦、点をやりたくないという心境から思い切った

攻めができなくなり、生まれたことになる。

さらに、ホームランを打つためには打つべき球を打つのだ。

甘い球をミスショットなく、捉えてこそホームランが生まれる。

打てるコースに(ストライクコース)球が来てこそ、打者は力を加えることが出来、

弾き返すことが出来る。

そこへ投げてしまう状況ができてしまったということ。

2死ランナーなしなら松田への攻めは全然違ったものになり、ホームランは生まれて

いなかったかもしれない。

 

巨人は、また先頭打者を出したことによる大量失点だ。

僅差では、先頭打者をとにかく出さないということが鉄則になる。

というより、野球は先頭を切れば、点は入りにくく、大量失点の確率は圧倒的に低くなる。

だから、先頭を切ることに細心の注意を払うのだが、野球の定石通り1,2戦は

先頭打者を出したことにより、巨人は敗れた。

 

一方、ソフトバンクは松田のホームランで3点を獲ったので、たとえ

先頭打者を出してしまったり、同じ展開になったりしても、

今度はリードしているから余裕があり、3点まではいいという守り方ができる。

大胆な攻めができ、結果追いかける方がチャンスでありながら追い詰められる状況になる。

 

巨人は途中から出てきたフレッシュな左ピッチャーが左バッターに打たれていたら勝負にならない。

最終回、追い上げた巨人には恐るべきプレーが飛び出した。

これについては明日にしよう。

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