昨日の第3試合、星稜-旭川大高の試合は投手戦となった。
両者に得点が入らないことが、すなわち投手戦ということを必ずしも意味しない。
ただの拙攻による接戦で投手戦ということが当てはまらない場合があるが、
昨日は両好投手の投手戦であり、見応えのある試合だった。
投手戦になるのは、文字通り投手の力が際立つのだが、
同様に守りがしっかりしなければ起きえない。
バックが締まらない試合は、その時点でシラケた試合になる。
また、バックがピッチャーを盛り立てないと、投手戦にはならない。
ピッチャーは、全てのバッターを三振に取ろうとなど思わないし、配球や心理を
駆使して、フィールドプレーヤー9人でアウトを獲っていくことが野球の醍醐味だからだ。
野球は投手戦が最もおもしろい。つまり、守り合いが最もおもしろいのだ。
8-7のスコアをルーズヴェルトゲームなどと言い、野球で最もおもしろいスコア
とされることがあるが、野球のおもしろさは打ち合いではなく、
華はホームランでなく、華は守り合いであり、投手戦が一番おもしろい。
野球は点の取り合いではなく、守り抜くというゲームだ。
相手より一回多くホームを踏む、相手にホームを踏ませないというゲームだ。
ヒットの数や三振の数やホームランの数を競っているわけではない。
チームで相手にホームベース生還を許さないというやり合いが一番おもしろいのだ。
優勝候補、星稜に対して旭川はよく戦った。
監督の言葉に、奥川は球が速く、スライダーも切れ、北海道にはいないピッチャーだった。
というのがあった。
それでも好ゲームになるのはピッチャーをはじめ、9人が点をやらないからだ。
これで、格上相手にも勝つかもしれない試合を作ることができる。
両チーム好投手で
旭川のエース・能登は北北海道大会で29イニング、2四死球。
コントロールが未熟な高校生にしては、秀逸な数字で、
これがあるから投手戦に持ち込めた。
スライダーとチェンジアップが冴え、真っ直ぐも中盤速くなっていた。
全国制覇を見据える奥川も暑い中、1点もやれないゲーム展開に消耗しただろう。
次戦まで間隔が空くことは救いだ。
これが、日程が詰まる先の戦いだったら、全国制覇にはマイナスにはたらく。
初戦でこういうゲームを経験できたことは良かったかもしれない。
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