アメリカ戦について記したこの場で、
左打者の多い日本打線は左のパワーピッチャーが出てきたとき対応できるか、
そこが最も懸念される、と記したが、優勝候補で難敵の台湾は左ピッチャーが出てきた。
このピッチャーに、日本は昨年のアジア大会で、102球の完投を許している。
そして、楽天と育成契約をしているほどのピッチャーだ。
つまり、日本チームにはいないプロ野球選手が登場してきたということになる。
ストレートは速くなく、パワーピッチャーとは言えないが、多彩な変化球を持ち、
散らしてくる。高校生が初見で対応するには難しいタイプだ。
日本は前の試合で最後に登板したピッチャーが次の試合の先発となるようだ。
点差が離れた試合には、肩慣らしをさせて次の試合に備えるということにしているようだ。
アメリカ戦先発の林も、この日の宮城もそれぞれ前の試合の最後を投げていた。
1年生の時から甲子園で活躍していた宮城が左打者の多い台湾相手に先発となった。
両チーム同じようなタイプの技巧派が先発ということになった。
日本、アメリカ、台湾と強いチームはみな、左打者だらけだ。
前の試合から日本の内野陣にほころびが見える。
日本のスタイルは堅守だから、たとえグラウンドが悪いとはいえ、こなしてほしい。
球場が狭いのでポップフライがフェンスを越えるホームラン、あるいは外野フライが
フェンスに当たる長打が勝負の分かれ目になりそうだと思っているところに、
勝ち越しは捕れる打球が頭を越して行った。
レフトの遠藤は、自チームではピッチャーか内野をやる選手だ。
そして、この大会、外野手登録は2人しかいない。
つまり、本職ではない選手が外野を守ることになる。
高校野球のトップレベルの内野手なら外野もできるという見方もできるが、
日本中から選手を集めるのなら、本職のハイセンスの外野手を招集すればいい
という見方もできる。
これは、やっぱり攻撃偏重の意識浸透や、外野守備への軽い見方がまだあるからだ。
しかも、ナイターがある大会で急造外野手にはこういうプレーは充分あり得る。
外野手のミスは大量失点につながり、ひとつのミスは勝負を決める。
バッティングはノーヒットでもやれることは他にもあるし、相手も成功確率は低い。
左打者を並べることも含めて、首脳陣に召集時点から、
ネームバリュー偏重やバッティング偏重を感じる。
勝ち越しとなる2点はショートのエラーと急増レフトの頭を抜かれたもの。
野球は、特に力が拮抗すれば、こういうところで勝敗がつく。
短期決戦や一発勝負の分かれ目はいつもミスであり、ワンプレーがかなり印象深い。
派手なプレーはする必要がない。できるプレーをこなすチームが勝つ。
https://twitter.com/yakyucolumn