高校野球にはコールドという制度があり、これは、大差がついた場合、実力に差があるとみなされ
それ以上試合を続けていても逆転は不可能であろうから、どこかで見切りをつけなければ、
いたずらに試合が続くだけ、試合を続けていても点差が開く一方で、ダラダラと締まらなく、
どこかで勝負あり、としなければいけないと考えたために設けられた制度に思われる。
プロが出場する国際戦にもこの制度は取り入れられている。
サッカーにはコールドがない。
サッカーは時間制だからだ。
試合時間が決まっているので、ダラダラといつまでも試合が続くということはないので
コールド制度を用いなくてもよいからだろう。
サッカーは点が入りにくい競技だ。
実力が離れていると思われる両者でも0-0が続くことは珍しくない。
だから、最終的にPK戦で勝敗を決することになっても実力拮抗とは限らない。
その理由は、サッカーで得点するには、あのゴールという枠にいれなければいけないということが、
難しいからだ。
どれだけポゼッションが高くても、枠の中に入れるフィニッシュが難しいのだ。
だからサッカーで拮抗差を見るならポゼッションだろう。
ポゼッションとはボールの支配率を言う。
どちらのチームがよりボールをコントロールしている時間が長いか、ということ。
すなわち、ゲームをコントロールしている、という見方ができるのだ。
実力差があれば、ポゼッションは偏り、ポゼッションが拮抗していれば、実力は拮抗していると言えそうだ。
一方、野球でコールドゲームとなったからと言って、即、実力差があったとみなすことはできない。
それは、野球がピッチャー次第の競技だから。
野手8人をイチローでそろえても、ピッチャーが大量失点したらコールドゲームがあり得る。
すると、8人イチローがいるチームに、どんなチームを相手に持ってこようとも実力差があるという判断になるわけがないので、
コールドゲームが則、実力差の開きということが当てはまらないということになるわけだ。
プロで20点近く点を獲った次の日の試合は全然点が獲れず、敗けてしまうなどということがあるのは
これのせいで、野球はピッチャーでリセットされるからだ。
先日、川崎フロンターレが優勝を決めた時の星取りは30試合で24勝3敗。勝率は8割にのぼる。
プロのペナントレースで8割も勝つなどということはまずない。
サッカーでは連勝が可能だが、勝敗のカギをピッチャーが握り、毎日同じピッチャーが投げられない野球では
同じチームに昨日大勝、今日大敗ということがあり得る。
明日へ。
https://twitter.com/yakyucolumn