先日、巨人のセカンドを守る若林と1塁ランナーが接触し、守備妨害というプレーがあった。
基本的には野手と走者が接触するような打球は守備が優先されるので、走者がよけるということが原則だ。
こういうプレーは審判の裁量が入ってくる部分だろう。
野球には裁量の入る余地が多いように思われる。
同時はアウトかセーフか。目に見えないスリーフットライン(スリーフィート)。
手首が返ったらスイングとは書かれていないハーフスイング。
アピールがなければそのまま素通りというアピールプレー。
ボークも国際戦ではあまりに違う。
コリジョンだって主観であり、判断が難しい。ボナファイドもそう。
ストライク、ボールの判定すら高校野球とプロでは全然違う。
2018年のセンバツではこんなことがあった。
昨年の中日ドラフト1位、石川が打席の時、1塁ランナーがスタートを切った。
投球はインコース低め、打者の足付近に来た。
これには足を引いて避け、その反動で今度は前へ、つんのめる形になった。
すると足が前に出てしまい、右足がホームを踏んでしまったのだ。
これにより、キャッチャーの2塁送球の真ん前に立つことになってしまい、
キャッチャーの送球は浮いてしまった。
したがい、審判は守備妨害を宣告した。
守備妨害を宣告するのは、その通りだろう。
完全にキャッチャーの前をふさいでおり、送球の邪魔をしていた。
だが、この場合、投球を避けた反動でたまたま、そういう体勢になってしまったからであり、
わざと妨害したわけではない。
わざとじゃないならいい、というわけでもない。
わざとじゃなくても邪魔をすればペナルティを受けてしかるべきだ。
ただ、この時は、ピッチャーの投球が体近くに来たからこうなったわけだ。
つまり、ピッチャーの投球がボール球という、つまり悪い球だったからそれを避けたためのもの。
ストライクコースに投げなければボールというペナルティを受けるピッチャーは
もともと、野球ではそんな球は投げてはいけないから悪い球=ボールとした意図がある。
ならばこのケース、そんなところに投げたピッチャーにも非があるだろう、という見方もできる。
だから守備妨害でいいものの、この時下された打者アウトという判定はかわいそうだ。
ここは、不可抗力であるのだからランナーは1塁へ戻して再開が妥当に思われる。
これが、空振りをして体勢を崩して、前をふさいだのなら打者アウトでもいい。
それは、空振りをするというバッターのミスにより起きた行為だからペナルティがあっていいわけだ。
しかし、ルールにはそこへの言及がされていない。
守備妨害としたら打者アウトとするしか方法がないのだ。
だから、審判の判断は正しい。
しかし、プレー再開にとられた次第としては納得いかないものだった。
ルールの欠陥といえそうだ。
ここでこそ審判の裁量が発揮されたらよかったと思えてしまう。
とは言え、主審はそのピッチャーの悪球により、起きたことであり、打者は仕方がなかったこと、
とは気づいていないので、そもそも裁量判定は出来っこないことではあるが。
数日前には、ソフトバンク-オリックスで、打者がピッチャーの長い間合いに、タイムを要求した。
しかし、投球動作に入る直前だったので主審はこれをとらなかった。
すると、打席を外そうとする打者が目に入ったピッチャーは足をあげた後、投げることをやめてしまった。
本来は、タイムがかかっていないのでボークとなるはずだが、打者が打席を外そうとしたがために起き、
その前にタイムを要求していたが、それを取り合わなかったために起きた事態だったので、
これに主審はボークを採用せず、何もなかったことにしてやり直しとした。
これは審判の裁量判定と言えよう。
これを説明したことで両軍は納得した。
厳密なルールではなく、これの方が納得いくということだ。
点差があったのでやりやすかったという面もあるだろう。
明日へ続く。
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