横浜高校が一気の逆転ホームランでサヨナラとした。
広島新庄としては継投がうまくいかなかった。
また、横浜が9回1点でとめたことが大きかった。これで試合はまだわからない、となった。
広島新庄の監督からすると1点追加の喜びより、3点目が入らなかったことの不気味が大きかったように思う。
それだけに早めの継投に頭は動いたのだろう。
この継投がもともとのチームの試合の進め方なのかもしれないが、先頭を出した後、
3番手左ピッチャーは大丈夫か?という気になった。
投球はチェンジアップが浮いていたので、右打者は落ち着いて打席に立てるようになってしまった。
9回2人目のランナーを出して、この左ピッチャーで大丈夫か、先発の右ピッチャーの方がいいのでは、
という気にさせられた。
結果論ともなってしまうけれど、広島新庄としては残念な試合だ。
逆転サヨナラホームランが今大会1号となった。
1年生のサヨナラホームランは史上初だそうだ。
2018年甲子園、済美と星稜の1戦ではタイブレークの末、飛び出したサヨナラホームランが
史上初の逆転サヨナラ満塁本塁打と表現されていた。
サヨナラホームランは間違いない。
ホームランが出た時点で、勝負が決したから、野球ではこれをサヨナラのゲームと表現する。
逆転ホームランもまあ、いいだろう。
2点差のビハインドをホームランで逆に2点差として、勝負を決めたからだ。
逆転サヨナラ満塁ホームランという表現には少しとまどう。
現象としては逆転だし、サヨナラだし、満塁からのホームランだけど、この満塁は
タイブレークでのものなので2人のランナーがはじめから与えられている。
これを逆転サヨナラ満塁ホームランと言ってしまうと、たとえば3人のランナーを作戦を駆使して
溜めたチームによる野球の展開と同じ評価になってしまう。
現象としては逆転サヨナラ満塁ホームランだけれど、タイブレークでないものとは区別したい。
そして史上初は言い過ぎだ。
史上初ということはこれまでの長い高校野球の歴史の中でという意味になってしまう。
これまではタイブレークなどなかったから、この難しく珍しい現象である逆転サヨナラ満塁ホームランがなかったのだ。
これをそう表現してしまうと、これから9回もしくは通常の延長で飛び出した逆転満塁サヨナラホームランが
2番目に甘んじてしまう。
正真正銘なのに、1番の栄に浴さない。
逆転サヨナラ満塁ホームランではあるけれど、史上初は言い過ぎだ。
シチュエーションがまるで違うのだから過去のものとは比べられない。
タイブレークはいろいろの理由からさっさと決着させるために設けられた制度。
それは、すなわち点が入りやすくなる、点を入れるための制度のわけだ。
この逆転サヨナラ満塁ホームランがこれまで100年を超える甲子園の歴史で出なかったのに
タイブレーク導入から数年で飛び出すのなら、これからも出る確率は高い。
本来、とても珍しく高価なプレーである逆転サヨナラ満塁ホームランを確率の高くなったタイブレークでのものに
史上初の誉れを与えてしまっては言い過ぎであり、誇張して注意を引こうとするマスコミの狡猾だ。
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