今回のワールドカップでは映像で確認するため止めずにプレーを流しているシーンをよく見かける。
一度下した判定が変わることがあるため、変わってしまった時、
どの状態で再開すべきかが難しくなるからだ。
例えばオフサイドフラッグが挙がっているからと、プレーを止めてしまって、
あとから映像ではそうではないとなった時、その流れを再現不可能だから。
相撲では膠着すると水入りという判断をするが、これは動かない状態だから再現可能だ。
一呼吸置いてからもう一度同じ態勢に戻せるのだ。
しかし、野球では審判が一旦、アウト、セーフのコールをしてしまう。
コールをしてしまうと選手はそれを受け入れて次の行動を選択するので、
映像判定を取り入れるのなら全てのアウト、セーフコールをしない方がいいはずだ。
ある代表戦で犠牲フライに今宮が本塁に突っ込むプレーがあった。
最初、今宮は滑り込んだ際、ベースに触れることができなかった。
キャッチャーも空タッチであったのに、判定はアウトをコールした。
この時はキャッチャーが空タッチでランナーがベースに触れていなかったのだから
プレーは続いていたのだ。
アウトをコールしてしまったので、キャッチャーはそこで今宮から離れることになる。
だから、もう一度タッチに行くこともしない。
キャッチャーの立場からしたら、お前がアウトと言ったからもう一度タッチに行かなかったんだ。
お前がアウトと言わなければ、もう一度タッチに行ってアウトにしてたよ。間に合ってたよ。
それをあとからセーフと言われたって困るよ。
という言い分が成り立つはずだ。
仮にセーフと判定していたら今宮はセーフと言われたからベンチへ戻ろうとする。
そこへキャッチャーがタッチに来て、リプレー検証を要求されたら
今宮はベースに触れていないからアウトになってしまう。
キャッチャーの言い分とは逆で、今度は今宮が、
セーフって言うから離れたんだ。
そうじゃなきゃ、もう一度ベースへ向かったよ。
あとからアウトと言われても困るよ。
ということになる。
ホームランについても即座に判断すると危険な場合がある。
客席へ入ってしまえばプレーは続かないが、グラウンドへ戻ってきてしまった打球はそうもいかない場合がある。
明日へ。