ホームランはそれだけで点が入る一番効率のいい攻め方だ。
ただ、守る方からしたら、最もダメージが大きい打たれ方とは限らない。
試合状況によっては、ホームランを打たれて1球で1点獲られて、さっさと次に切り替えた方が
楽な事は多い。
球数重ねられ、つなげられ、挙句、失点することの方がダメージはきつい。
試合終盤で1点もやりたくない場面で打率が最も高く、ホームランが最も出やすい確率の高い打者を
抑えに行く戦略は勝利を目指すなら愚作となる。
村上を抑えに行って、打たれるのは頭を使わない低レベルの野球を見せつけられることで、
プロという最高峰の戦いとは言えず、その方がおもしろくない。
チームスポーツとはそういうものだ。
ヤクルトも村上と勝負せざるを得ない戦法を考えるか、
村上が歩いたことで勝利に近づく戦法を考えるということだ。
それがチームスポーツとそういうものだ。
歩かせるということは守る方もリスクを負う。
プロなら申告敬遠ではなく、歩かせてもいい攻めをする投球術をもっていていいはずだ。
そしてプロの強打者なら勝負を避けながら誘って来ているというバッティングをするだろう。
その攻防こそが駆け引きであり、これに限らず試合全体の駆け引きこそが野球のもっとも大きな醍醐味だ。
高校野球には駆け引きがないから深みが出ず、勝負のおもしろさにかけてしまう。
ストライクを投げないということは逃げていることにはならない。
ストライクはホームランになるのだからそこへ投げるなどプロの勝負ではない。
そんなのはフリーバッティングという。
練習だ。
勝負は、試合はストライクで勝負しないということだ。
それがプロの技術。
または左ピッチャーをワンポイントで充てる。
村上用の左ピッチャーをつくることもプロの戦術。
