この場ではWBCにおける采配は選手選考からずっとダメだったと記した。
まず、右打者が圧倒的に少ないということ。
最近は投げるのが右でも打つのは左という選手がとても増えたので
上から良い打者を選んで行くと、どうしても左打者ばかりになってしまう。
左打者が増えたのは、野球のルール上、左打者の方が一塁に近くて有利ということ、
右ピッチャーが多いこと、イチローと松井の影響が大きいことによる。
これに相対するようにピッチャーは左が圧倒的に少なかった。
その理由はこの大会でワンポイントが禁止されていたからだ。
ところが、イニング途中からその回を投げ切れば、結果ワンポイントのような使い方が出来るルールではあったので
この使い方ができるし、しなければいけなかった。
最初の選考が終わった後、右打者の鈴木が断念すると、左打者の牧原を補充した。
さらに左打者を増やしたところで用はない。
右打者が欲しく、宮崎が一番良かったし、一流の左打者はもう残っていないのだから
一流半の右打者の方がまだ戦力になる。
そして大会中、栗原が離脱すると、残り3試合しかない中でたくさんいるピッチャーの補充に
右ピッチャーの山崎を招集した。
これまで戦ってきた右ピッチャーを差し置いて山崎を登板させる機会などない。
ここまでの戦いでワンポイントになるシーンがあることがわかったのだから、補充するなら左ピッチャーだった。
ここまでが選手選考の愚かなところだ。
代表を断る選手が少なくなった最近の選手の意識によって、良い選手に声をかければ
だいたい参加となる。
これまでのWBCの戦いに感動した選手たちが一流の選手となったため、日本代表は
名誉ととらえるようになったからだ。
だから選手選考には困らない。
ところが戦術、戦略なく選考したことで、今度は偏った采配へとつながることになる。
采配のダメさについては次回にしよう。