近本がデッドボールで肋骨を折った。
こういう大けがに至るデッドボールは右ピッチャーに対する右打者、左ピッチャーによる左打者の時に起きる。
大けがはカウンターの形によって起きるからだ。
カウンターとはお互いに前へ向かっている時の衝突のことだ。
ボクシングのカウンターは相手が出てきた時に合わせてパンチを繰り出す。
衝撃は大きく一発KOだ。
サッカー、ラグビー、バスケなどのカウンターは相手が攻めて来ていて、
全体の選手が前のめりになっている時、ボールを奪い、一気に攻守が替わった時に
守勢が遅れることで得点の大チャンスとなる。
カウンターの形は打者がピッチャーの球を見にくい場合に起きる。
それは右ピッチャーに対する右打者、左ピッチャーによる左打者の時だ。
近本も踏み込んで行って、打ちに行こうとしたところボールだ、と判断したものの
実は身体に向かって来ていた、気づいた時は避けても当たるところまで近づいていた、という状況だった。
まだ避けにかかった状態のときに当たったのでマシな方だったし、場所があばらの辺りということは
肉付きがある場所なのでよかった。
よくあるのが打ちに行って手首や前腕に当ててしまい骨折する場合だ。
前田に引導を渡したとされるデッドボールも左ピッチャーだった。
金本の連続出場が途切れるかもしれない、とされたデッドボールも左ピッチャーだった。
清原が打ちに行ってよくデッドボールになっていたのも右ピッチャー相手の時だ。
清原に限らず、打ちに行ってのデッドボールは右ピッチャーに対する右打者、左ピッチャーに対する左打者。
特に、打ちに行って後ろの腕に当たるデッドボールはこの場合しかない。
前述の金本も左腕に当てているが、岩瀬の角度のある球筋からの実はシュート、という球に
見極められず腕を出し、後ろの腕に当てている。
とりもなおさず右対右、左対左の場合、打者は見極めが逆より難しいからだ。
向かってくる球は、それは入ってくる球のことだが、打者は逆より見極めやすい。
だから打率も上がるし、危ない球には向かって行くことはせず、避けながら当たることになる。