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プロへ行くことを決断する高校生ピッチャーの決意

ピッチャーは高卒1年目から活躍できる。

野手の場合は基本、レギュラーが全試合を出場するので、その間に入って行くのが難しい。

そして打つということは、それまでの高校生の球とは極端にレベルが上がるプロのピッチャーに慣れるに時間を要する。

高卒野手で活躍したのは清原くらいしか思い浮かばないが、清原も打ち出したのは夏以降だ。

 

対してピッチャーには主導権があり、野球はピッチャーではじまる。

ピッチャーは自分が磨いた球を打者に思い切って投げ込めばよい。

打者はそれに合わせなければいけないことになる。

 

そして野球はピッチャー有利でできており、バッターは3割成功すれば1流。

7割を打者が勝手にミスしてくれ、さらに8人の味方が守ってくれ、

3本のヒットでやっと1点とられるだけ。

 

失点しなければヒットを打たれようが好投手だし、連打の確率など極端に低い。

ピッチャーが「調子悪いな」とか「いい球が行かない」とか「思ったところに投げられない」

と感じても、抑えて行ってしまうことはよくある。

打者はたまたまヒットになることがあっても、それが何打席も続くということはない。

うまくいった成功体験を追いかけ、繰り返そうとしても失敗することの方が多い。

 

そしてピッチャーは消耗品なので、プロへ行く前に使い過ぎては実力が劣ってしまう。

大学4年間での成長を望むより、肩、肘の消耗の方が懸念される。4年間は長い。

4年後に実力を維持してドラフト指名される保証はどこにもない。

 

プロは最高峰なので野球人生の最大で最終の目標となる。

ピラミッドの頂点であるため、その門は狭く、人数は限られる。

まだ10代、しかも高校生がプロという世界に挑戦しようと決断するには勇気がいり、

お金が飛び交う大人の世界へ身を投じようと決断するには迷い、躊躇するだろう。

そして、高卒でプロ入りしても、思うような成長ができなかったり、実力不足で20歳そこそこで

クビを切られてしまうリスクがある。

 

まだ、成長過程なのにプロをあきらめなければいけないという現実をつきつけられるリスクがあるということ。

無垢な気持ちだけで飛び込めるならばいいが、ただ単にプロに行きたいからというだけでは

戸惑う気持ちはよくわかる。

だから、プロへは行かず、その間、じっくり野球をやらせてもらえる環境で実力を磨き、

いざというときにプロに自分を高く売るということもライフプランとなる。

 

高校生に1億も払って、来てください。などという世界は、野球の世界以外考えられない。

一般の就職は、就職先が課す試験を突破したり、面接で自分をアピールしたり、

コストをかけてとってもらおうとするが、スポーツの世界はリクルートする側が、足繁く通い、

大金を用意して来てもらおうとする。高校生のガキに。

それも億などという金が飛び交うのは野球だけだ。

ビジネスとしても、最高のタイミングで投資したいと考えるのも当然の行為。

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