実況と呼ばれる人は事実だけ伝えればいいと思われるのだが、たいていが「流れ」を持ち出す。
都合がいいから頻発する。
聞いている方も疑問を呈さないからその流れを助長する。
解説とされるものまで「流れ」を根拠にされたら、全てがそれで事足りる。
不要となるし、誰でもできる。
この試合はあのプレーが流れを変えました。
あるいは、流れを決めました。
そんなものはどうにも証明できないから感想でしかないのに、どこが解説か。
「一球目がストライクだったのでこの試合の流れは決まりました」
一球目がボールなら「二球目を連続ボールにしなかったことでこの試合の流れは決まりました」
二球目もボールなら三球目、四球目。
フォアボールで塁に出しても、「失点しないことでこの試合の流れを決めました」
いくらでも言える。
神の仕業と言っているのと変わらない。
川の流れには規則がある。
重力があるから、高いところから低いところへと流れるので、一方向だ。
試合は双方が引き合う。
両方がそっちへ点を与えないため、あるいは点を奪うため攻防がある。
そこには「流れ」があるのではなく、ゲームがあるのだ。
勝負であり、試合であり、実力だ。


