ゲッツー阻止とは攻撃側から見た表現だ。
無死か一死でランナーを一塁に置き、内野ゴロが飛ぶ。
この時、一塁ランナーはゲッツーを食らうまいと二塁ベースへ猛進し、
激しいスライディングをする。
ベースへ向かった結果、2塁ベースカバーに入った選手の送球を困難にするためのスライディングだ。
今は、このゲッツー阻止のためのスライディングに制限がかかった。
北米での野球は、このスライディングでの送球を邪魔する行為は激しかったものだ。
西岡は、このスライディングに脚を刈られ大けがを負い、北米での選手生命を
不完全燃焼にさせる一因となった。
スライディングでない場合は送球コースに入り、ファーストへの視界を遮る行為をする。
これにより、現実にも頭で送球を受けてしまうランナーがいる。
このシーンは目を覆いたくなるプレーだ。
現実でないもので有名なのは漫画「ドカベン」で連勝中の明訓高校を
弁慶高校が止めることになるサヨナラのシーン。
一塁ランナーの武蔵坊が一塁への送球を顔面で阻止する。
その間に、ホームへ突っ込んだ義経がタッチを交わし、サヨナラのホームを踏む。
この時の義経がタッチをかわしたのをいわゆる「義経の八艘飛び」、
送球を顔で受け、義経を助けるプレーをし、一、二塁間で立ったままの武蔵坊を、
かの有名な、義経を守るための「弁慶の立ち往生」ならぬ「武蔵坊の立ち往生」。
しかして、武蔵坊の命をかけたプレーに、山田在籍中の明訓に唯一の黒星がつくことになる。
この時の武蔵坊が見せたプレーにより明訓が喫した黒星をゲッツー崩れと言う。
ゲッツー阻止とは攻撃側、つまり武蔵坊から見たプレーであり、ゲッツー崩れとは、
攻撃側からも守備側からも見た表現であり、一連の流れのプレーを言う。
攻撃側からはゲッツー崩しのプレーとも言うだろう。
ゲッツー崩れとは守備側から見た場合、ゲッツーを取りにいった内野陣が、
ゲッツ―を完成できず失点をするというケースを言う。
無死か一死で一、三塁または満塁の時、内野陣が二塁→一塁でゲッツーを獲ろうと
守備体型を敷いたものの、アウトをひとうしか獲れず、三塁ランナーの生還を許すというもの。
ゲッツーが完成しない理由は、打球が弱かった、野手の横に飛ぶヒット性の当たりで
処理が難しかった、打者の脚が速かった、野手がファンブルした、などが考えられる。
野手がファンブルした場合はエラーと思われがちだが、ひとつアウトを獲ることができれば
野手にエラーはつかない。
そして、ひとつもアウトが取れない場合はゲッツー崩れとは言わないことになる。
それはエラーか内野安打となる。
ゲッツー崩れは状況によって攻撃側の成功、守備側の想定内と別れる。
攻撃側が1点獲ることができればいいと思い、ゴロを打って打者の脚に賭け、
アウトひとつを覚悟した作戦をとったとする。
この場合、打った側は、まあ成功だ、これでいいだろう、となる。
もっと点が欲しい場面でタイムリーヒットを狙いに行ったのに内野ゴロになった結果、
たまたまゲッツーを食らわず、1点入った場合は、攻撃側は不満となり失敗の部類に入る。
守備側から見ると二塁→一塁でゲッツーを獲ろうとする守備体型の場合は、
1点やったらもう負けという切羽詰まった状況でない場合が多い。
1点もやりたくなかったら、前進守備を取り、まず三塁ランナーの生還だけは阻止しようと
バックホーム体勢をとるからだ。
だから、二塁→一塁でゲッツーを獲ろうとした瞬間、1点はまあいいという場合が多い。
だから、ゲッツーを獲ることができなくて不満は残るが、まあ想定内、いいだろうということが多い。
守備側は成功とも失敗とも言い切れない。
ただ、野手がゴロを捕り損ねたり、送球が逸れたりして
ゲッツーが獲ることができなかったのであれば失敗となる。


