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加齢による衰えなんて常識じゃないのよ

中日・山本が今年31年目を迎え、今なお強靭な体とともに第一線で活躍していることから

一流選手が引退を決める時の理由について言及したことがあった。

 

そのつづき。

 

一流野球選手が引退を決めるとき、メディアでは加齢による衰えを指摘し、

引退するという内容の伝え方をするが、

実はこれが原因の場合はむしろ少ないと言ってもいい。

 

加齢による衰えの前に引退を決める理由で一番多いのが怪我だ。

 

それは、歳がいってからの怪我ではなく、

若いころから野球選手というのは、怪我を抱えて選手生活を送っている。

 

五体満足でプレーしている選手なんてほぼいない。

 

この怪我のおかげで練習量が制限されたり、プレーの質を落としたりしている。

 

そこへあと2つの理由が重なってくることにより引退を決意することになる。

 

その

2つのうちのひとつが、

レベルについていけなくなったことだ。

 

加齢による衰えではなくて

実はレベルの高さについていけてないということだ。

 

これは周りで見ていても

なかなかはっきりとした裏付けがとれるわけではないし、

選手本人も気づかないことが多く、気づいていてもプライドがあるので口にしない。

 

だから

医学でも証明され一般の人でも理解しやすい加齢による衰えで言い訳するのだ。

 

選手のレベル、野球のレベル、体格のレベル、情報のレベルと

いろいろなレベルが確実に少しずつレベルアップしている。

 

だから

一流選手で20年もやっていれば、入ったころのレベルとはかなり変わってきている。

 

もちろん

その選手自体のレベルもあがっていき、プロとしてプレーしているわけだが、

自分のレベルはどこまでも上がっていくというわけにはいかず

全体のレベルの上昇についていけなくなる、あるいは追い越される瞬間があるのだ。

 

サッカーでは、

昭和30年代後半から40年のはじめくらいの日本代表のレベルは、

今の高校サッカーの全国レベルかそれより下といわれている。

 

昭和40年といえば今から半世紀ほど前ということだ。

 

50年の間に高校サッカー全国レベルが、

その上の大学レベル、

その上の社会人レベル、

その上のプロ、

さらには日本代表のレベルにまで到達しているということだ。

 

それだけ

一般の生活という段階から底上げされれば、裾野が広がり

レベルは上がっていくということ。

 

当然、野球にも言えることであり、

昔の映像を見ると

プロのレベルってこんなものなのかと感じる場面が多々ある。

 

道具が悪かったからという理由はあるが。

 

私が小さい頃、

テレビに映し出されるプロ野球ははるかかなた、

手の届かないところで行われている戦いだと思っていた。

 

しかし今、

確実に肥えたその目で見ると稚拙に映る部分がやはり多くある。

 

よく往年のスターが昔の野球を語る際、

誰々の球は速かったとか

毎日登板していたとか

170M飛ばしたとか

誰々の変化球はすごいとか

あの頃のあのチームは最強とか言うけれど、

こういうものは尾ひれ羽ひれがつき、誇張されるか、勘違いのことばかりだ。

 

人は自分が生きた時代を美化したがるもの。

レベルは確実に今が一番上だ。

 

当時の選手が、当時のままプレーしたら

到底今のレベルでは通用しない。

 

したがって

けがをすることにより、

レベルに対応できるトレーニングができないことが重なり、

引退へと追いやられるのだ。

 

もうひとつ理由については、また別で。

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