男子サッカーの決勝は、4万を超える観戦者を集め、
開会式の駒沢スタジアムも満員。
バレーボールやラグビーも大勢の観客、関係者を集め
連日、メディアが伝えている。
一昨年の高校野球西東京大会の決勝では都立高が28年ぶり決勝進出を決め、
観戦しようと足を運んだ私は、試合開始30分前に現地に着いたにもかかわらず、
数か所用意されていた券売所はすでに長蛇。
入場券を買うのに並び
球場に入ったときには1回の表の攻撃が終わってしまい、
球場はプロのペナントレースよりも観客を呼ぶ満員となっていた。
このように
日本の高校スポーツは人をひきつけてやまない。
この理由はいくつかあるが、
最大の理由は、もうこの瞬間は二度と来ない。
ということにあると思われる。
二度と来ないとは、
負けたら明日はない戦いであり、
その時の青春のすべてをぶつけるということだ。
負けたらもう今の仲間とはプレーできない。
後輩は負けたらもう先輩とプレーできない。
昨年の悔しさを何がなんでも晴らす。
王者は先輩からの伝統をここで途切れさすわけにはいかない。
監督を男にする。
けがしてプレーできないやつのためにも勝つ。
いろんな思いをもってこの二度と来ない瞬間に賭ける。
だから試合に対するこの情熱は鬼気迫るものがある。
一球にかける執念、意地と意地のぶつかり合い。
試合が終わると、
人生でこれ以上は泣くことは、肉親を亡くしたときだけだろうというくらいの号泣だ。
この二度と来ない瞬間を全員が理解して勝利を目指すところに高校スポーツ最大の魅力があるのだ。
この独特な魅力は、学生スポーツや中学生以下の生徒によるスポーツとは違う。
その理由を次回、展開していこう。