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審判制度を考える。野球選手の人生 Ⅱ

昨日、現行の審判制度による判定が野球選手の人生を決めかねないという話をした。

 

この野球選手の人生ということで印象に残っていることとは、

ロッテ・岡田のことだ。

 

岡田は育成で入団した選手だ。

 

入団時にすでに家庭を持っており、

どうしてもプロで勝負したい、

2年でだめだったら、きっぱり野球をあきらめ就職する。

と家族に宣言して入団したそうだ。

 

当然、育成枠なので薄給だ。

すでに子供がいた岡田にとっては人生の大きな決断だっただろう。

 

その岡田が2年目の日本シリーズで決勝タイムリーとなる

3塁打を放った。

 

3塁へ滑り込んだ岡田は立ち上がると顔を上げないまま

万感のガッツポーズをした。

 

私にはこれは

「よし打ったぞ」や「これでリードした」や「これで勝てる」

というものではなく、

「これでまた契約してもらえる。まだ野球選手でいられる。」

という意味に見え、とても印象深いものだった。

 

この時の岡田の身の程は

レギュラークラスではなく、

結果を示すことが出来なければいつ二軍行きを告げられるか、

二軍に行けば、いつ首を切られるかわからないというものだった。

 

だから、この時のガッツポーズはチームが勝てる。

日本一になれる。というものではなく、

これで首がつながった。というものに見えたのだ。

 

チームの勝利を考え、プレーするのは主力の選手だ。

 

この時の岡田のような選手はチームの勝利より

自分のプレーを優先する。

 

今の岡田はチームの勝利を考え、プレーする身分になっただろう。

しかし、この時はそうではなかったにちがいない。

 

今では、NO.1の評価をする人もいるくらい、見事な外野守備と

トップクラスの俊足で日本代表にも選ばれるほどになった。

 

プロ入りすらやっとの育成選手だった岡田だが、

このワンプレーで人生が拓けたとも言える印象的なプレーだ。

 

このように

スタートして華々しくデビューする選手ではなく、

這い上がってくるような選手は

ワンプレーが選手生命に影響することがある。

 

したがい、

生身の人間一人が一瞬で判定を下す現行の審判制度は

見直す必要があるのだ。

 

チャレンジ制度ができ、判定が覆ることが

何度も繰り返される現代の野球。

 

さらにつづけよう。

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