どんな競技もルールに合わせて技術を磨き、体をつくる。
野球だったら打者から100メートル先がホームランだからそこまで届くような
打ち方を研究し、体力をつける。
ピッチャーとしたら、100メートル先にフェンスがあるから、そこを越えたら
打たれた、という気になってしまう。
ホームランというルールがなければ100メートル先に飛ばされても負けたと思わないだろう。
そもそもそういうルールがあるから、そうならないように日々鍛錬し、そうなってはいけない
と頭を占める。
ルールによって、勝ち負けや成功、失敗を認識する。
ホームランがなく、外野はもう3人守ってもいいようなルールならば、
高めにだけは投げないようにとか、低めに神経を使うなどとはならず、適当に投げてもいいとなろう。
打者の方も遠くへ飛ばそうとは思わない。
無駄だから。
ピッチャープレートが今の二塁ベースからの距離だったら、
大谷の速球も高校生の速球もどっちも脅威でない。
スピードに差はあれど、これだけ距離があれば、大谷のボールも速いと思わないから
どちらも一緒だ。
速いボールを投げることに意味がないのなら、体を大きくしようともしないし、
トレーニングに時間を費やさない。
無駄だから。
人間が投げる可能な範囲で速いと感じたり、伸びると感じたりする距離で
18.44メートルは設定された。
つづく。


