毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

運動家としての姿勢Ⅲ

先週の運動家の姿勢として伝えたダルビッシュ特集のつづき。

 

少し振り返るとすると。

 

野球選手としての姿勢と考え方が抜きんでていることがよくわかる。

 

もともと野球に対してはとても賢いプレーヤーだと思っていた。

 

発言の内容については20代の選手としては他に類を見ないほどしっかりしたもの。

 

そして

そのプロらしい発言に初めて知ることや気づかされることが多く、とても参考になり注目している。

 

ひとつ興味深い話が責任があるという話。

 

たとえば、障害者が野球をしたいのにできないとする。

それが、ある時野球ができる体になったら絶対にその状況に感謝し、

ストイックなまでに管理を施すはずだと。

今、野球ができる自分にはその責任がありベストパフォーマンスをするための管理は

当たり前のことだと。

 

うむ。素晴らしい感覚だ。

 

ダルビッシュはごはんを食べることがあまり好きではないそう。

 

しかし、甘いものは大好き。

でも甘いものを食べて体格に影響があるようだったら控える。

それはプロになる前からずっとそうだったそうだ。

 

自分のすべきことに悪影響を与えるものなら

好きなことを自制することも苦にならない生き方をしてきたということだそうだ。

 

ごはんを食べることが好きでないダルビッシュは、高校時代からプロ数年目までは細かった。

 

ここ最近は立派な体格になり、長身もあいまって

MLBでも見劣りしないばかりか目立つほどの体格になった。

 

昔は細かったダルビッシュは、トレーニングとサプリ摂取と食事により

ベストパフォーマンスをするための体を作っていった。

 

その管理方法の一端を特集は伝えていた。

 

その日はオーナー主催の食事会があり、

19時半のスタートが予定されている。

 

すると食事を口にするのは10分後の19時40分だと予想できる。

 

では、その3時間前に必要なサプリメントを摂取する。

 

また、朝は球場で食事するのだが、運動に必要なたんぱく質を考えると

半熟目玉焼き4つとあとなにか(忘れた)を摂る。

 

そして朝は球場に行くまでに好きではないコーヒーを摂り、

カフェインを体に入れることで血流を良くし、運動効率を高める。

 

毎晩の体重によって翌日の食事を調整し、97,5Kgを目安に食事を決めるとのことだそうだ。

 

こういった管理は運動家としては当たり前のことでことさら褒められることではない。

 

が、これが意識の差となり、

一事が万事他のことも管理できるかどうかが決まってきて、大きな差になるはずだ。

 

昔の野球、特に昭和の野球文化が日本に根付き、第一スポーツに成り上がったころは、

朝まで飲んで酒が残ったまま球場に来た。

 

それでも豪快に打つ野武士軍団に福岡のファンは熱狂したものだ。

 

野武士軍団と言われた無骨な集団を愛する気持ちもわかるが、

それは昔の話。

 

レベルが低かったから通用しただけのこと。

今そんなことをしていたら通用しない。

 

そんな昭和のにおいを残す最後の選手として代表されるのが清原だろう。

 

清原は西鉄育ちの東尾の影響を受け、昔ながらの野球選手像を引きずっていたようだ。

 

「今の選手はまじめというかお行儀がよい」

といった趣旨の発言はよく聞いた。

 

やはり清原も二日酔い、寝不足のまま球場に来ることがよくあったようだ。

 

こうして

清原は時代の変化の過渡期にいたため

昔の姿を引きずり、レベルが上がっていく中、その変化に気づけず、

自分を高めることを怠り通用しなくなった。

 

ダルビッシュは、

「日本人はストイックなまでに徹底して高めないと海外では絶対通用しない」

と言いきっている。

 

そりゃそうだ。

 

生まれたときから筋骨隆々、トレーニングしなくとも発達した筋肉と

日本人とは構造がちがう骨格に対して対抗するには、同じことをやっていたり、

管理、精進を怠って勝負になるわけがない。

 

一方でイチローは、渡米当初、パワーベースボールに対抗するため体を大きくしようとした。

 

しかし、

スピードが遅くなり、重く感じたためもとに戻したそうだ。

 

自分の特長を生かすことで対抗しようとしたわけだ。

 

パワーがだめなら

頭を使うなり、日本人の器用な部分で活路を見出すという分析だ。

 

野球というパワーがものをいうスポーツで勝負する限り、これを向上させるためには

ダルビッシュのようなストイックな管理が必要なのであり、また別の活路として、

イチローのように自分の特長を伸ばし、維持するストイックな管理が運動家の姿勢といえるのだ。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP