この選手は、もともと野球をやっており、うまい選手だったということだそうだ。
2打席ホームランと字面だけみれば、快挙だが、甲子園で打つ2打席ホームランと
予選の初戦で打つそれとは、意味も難易度も全然違うわけだから、なんでも大げさなものだ。
それでも2打席でホームランを打つというのは難しい。
普段、野球をやっていなくともこういうことが可能なのは以前にも言ったが、
野球は道具を使うスポーツだからだ。
バットという道具がこういう珍しい記録を可能にする。
生身だけで争う陸上、体操、水泳では起こりえない。
2打席連続満塁ホームランで一躍話題になった松本が、夏は4番に座っているようだ。
松本が話題になったのは、2打席連続満塁ホームランという離れ業に加え、
背番号17、6番打者だったということだ。
高校野球100年でホームランを量産し、華やかな活躍をする選手は
清原、松井、元木などプロ注目の4番が当たり前だった。
桑田は投手としての仕事を考慮して7番を打つこともあった。
2打席連続満塁ホームラン、大会3本のホームランを打つような選手が
控え選手がつける17番で6番を打つことからも敦賀気比の強さを象徴していた。
しかし、この松本は実力が劣って17番をつけていたわけではなさそうだ。
打席の構え、投球への間合い、スイング軌道、体格と打者としての技術に優れ、
ホームランも決してまぐれではなかった。
春はなんらかの理由があったのだろう。
夏はその実力通り、堂々、チャンピオンチームの4番に座っている。