キャンプ序盤では、なかなかバットを振らなかった落合。
しかし、それも実績を残し、セ・リーグに来てから報道されるようになったと記憶している。
つまり、ベテランの域に達した頃ということ。
若い頃は、バットを振りまくったそうだ。
「今の若い子より3倍は練習した」そうだ。
バットを振りまくるので、手がバットにくっついて離れなくなるほどで、
バットを握った手を人の手を借りて、ほどいてもらっていたとか。
中日の監督になってからは、
「あー、こいつら練習してないんだな。」ということから
秋のキャンプからしごき、春のキャンプは、早々に紅白戦の実戦練習、
さらに、6勤1休と厳しいものだった。
キャンプ序盤はなかなかバットを振らなかった落合が、いよいよ振りだすかと取材陣が騒ぎ出すと
一人、室内練習場にこもり、完全外部とシャットアウトし、何時間も打球音だけが
外へ聞こえてくるという状況になり、出てきた落合は汗びっしょりということだった。
そんな落合のことばで印象的なのが、
「コーチが1万回素振りすれば、ヒットを打てると保証してくれるなら、いくらでも振るよ」
ヒットを打つのは素振りの数ではない。一方で振るための体と振るという単純な作業も
必要としていた。ということか。