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江川 桑田 清原のドラフト

ドラフトは、もうそれ自体がプロ野球のひとつのコンテンツ、いわばファンサービス

のイベントにまでなったということを記した。

2019-10-18 巨大コンテンツ ドラフト

 

実力豊かな若い選手たちの人生をプロ側の会議とくじで決めるという無茶があるのだから

当然、数奇な運命となる人間ドラマを生み出すことになる。

意図していたことなのかわからないが、この仕組みなら悲喜を観察したくなること請け合いだ。

 

下位指名選手や指名されるかわからない選手は不安だし、

晴れて指名された時の気持ちは嬉しく、光栄で、誇らしいことだろう。

プロの球団から実力を認められた。

お前の力が欲しいと言われるのだから。

 

ドラフトは、思惑通り進まないので、そのくじの瞬間人生が大きく変わることになる。

まさに運命で、この時、こうじゃなかったら、あーなっていたらという話は尽きない。

だってくじびきだもの。そりゃタラればの話になる。

 

ドラフトが行われる理由は、戦力均等と年俸高騰阻止というどちらもプロには

必要ない理由のものだ。

プロに均等化などというものが必要か。

 

大物が多い、実力が上であるチームに、努力を積んで劣っていたプロの潜在能力で

覆すことがあれば、ストーリーがあっておもしろい。

評価が低くともプロになれるほどの実力があるものが覚醒し、

強者に勝つことなど十分可能であり、それこそがスポーツであり、戦いだ。

プロはそこを見せることの方に価値がある。

ドラフトにより規制して戦力を均等させ、接戦を演出するよりはるかにおもしろい。

 

プロなのだから、いろんなところから選手を見つけてきていいわけ。

そういった、チームの編成力やチームの育成力で勝負し、選手の、強いものにでも勝ってやる

という気概で勝負するのが本来のプロの世界のはずだ。

 

プロはお金で強くなったっていい。

FA制度は、お金で強くなる制度だ。ドラフトの建前と真っ向反する。

そして、お金で選手を買ってきても勝負事は、必ずしも勝てるとは限らない。

巨人はそうして負けてきた。

 

また、仮に戦力均等や年俸高騰阻止をするなら、それがドラフトである必要がない。

ドラフトで規制したら、職業選択の自由が奪われる。

 

今、ドラフトが許されている、寛容されているのは、そこにドラマがあるからという理由だ。

あいつがどこへ行くのだろう、俺が応援しているあのチームはあいつをとれるだろうか、

と指名される選手、ファンがお互いドキドキし、さらに球団の方針にファンが参加し、

支持したり、不満をもったり、球団もファンの意向をも取り入れる。

皆、ドキドキし、その瞬間を長く待ち、予想し、予想が外れればびっくりしたり、

隠し玉が出てきたり、という1つのコンテンツとなったのだ。

 

そして、後世にまで語り継がれるドラマを生むコンテンツ、裏話も盛りだくさんだ。

KKや江川のドラフトドラマなど、それにまつわる裏話は本もテレビ番組も多く作られる。

野球での戦いのほかにも、ファンを楽しませる巨大コンテンツとして様変わりしたのだ。

 

当初の理由を重要視している人はいない。

1つの商品としてまで成長してしまった制度だが、こうなることを予想して取り入れられた制度なのだろうか。

戦力均等と年俸高騰阻止という理由ならば、プロ側組織の努力不足、企業の努力不足により

プロ側の勝手な都合で作られた制度にすぎない。

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