将棋は1手を決めるのに数十分、数時間も長考することがある。
野球は、1球、1球で間があるのだから、考えて次の1手を打つのが正しい。
ただ野球は運動であるから、あまりに間を空けて考え続けることは逆に負に働く。
野球が将棋に比べて、次の1手に対して考えを巡らせることに希薄なのは、
考えず打った1手が、うまくいく可能性があること、
考えず打った悪手が致命傷になるとは限らないことがあげられる。
そして、最も大きな理由は3アウトで清算されるということだ。
将棋のように、最初から最後まで、1手の積み重ねが勝ち負けとなるのと違い、
野球は3つのアウトで一旦清算される。
考えず投げた球を3連打されたとしても、その後の打者3人を抑えれば0点で済む。
いくら、ヒットを打たれようと、いくらヒットを打たれまいと、0点ならどちらも
シャットアウトだ。
だから、その清算される成功体験で、悪手の事を忘れてしまう。
反省をしない。
将棋のようにその1手が敗因に直結することを身に染みていれば、慎重になるはず。
清算されず、ずっと続けば1球、1打者、1ランナー、1進塁に神経を張り巡らせ
ベンチからの指示は極端に多くなるはずだ。
また、同じだけの攻撃回数を与えられているから、とり返しのチャンスを無条件に
得られるところにも甘えが生じる。
将棋に待ったはない。野球は仕切り直せる。
逆に言うとこれにより、ドラマが生まれやすく、人気を生む要素になっている。
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