天才というテーマで3人目は何といってもイチローだ。
イチローの登場は、彗星の如くという表現がぴったり当てはまる。
パ・リーグの人気球団とは言えないオリックスにいる、凡庸中の凡庸な名前の鈴木一朗を
知っていた人は数少なかっただろう。
ただ、その非凡なプレーを知る人は将来チームの中心となることを確信していたようだ。
相手チームの野村監督でさえ、その売り出す前の鈴木に、そのプレーは光っていたなんて
ものじゃない。すでに後光がさしていた。とまで言っている。
そして、スターになるべく改名のタイミングが良かった。
全国的には知られていない鈴木を人気者の佐藤と抱き合わせでイチロー、パンチとして
売り出した。これで、世間は注目することとなる。
必ず、活躍すると仰木は確信していたからこそ、そういう判断をしたのだろう。
その通り、イチローは一気に日本野球最高峰へと駆け上がった。
登録名が初めて名前でカタカナという選手程度しか知らなかった多くのファンは
そのプレーぶりに彗星のごとく現れた天才として度肝を抜かれた。
なにせ、今まで見たことがない選手が突如目の前に現れたからだ。
振り子打法と呼ばれた動きながらの打法、打ち損ないすらセーフにしてしまう俊足、
のちにレーザービームと称される強肩、他の追随を全く寄せ付けない7年連続首位打者、
その他、本当にいろいろな記録で毎年楽しませてくれた。
1人の選手に野球の全てが詰まっていた。
全てが圧巻で、斬新で、1人別次元だった。
野村監督は、今までのプロ野球選手は打てればスターになれたが、イチローの出現により
これからは打つだけではスターになれないかもしれない。と言った。
そして、特筆すべきはプロ野球選手として大きくない体でやってのけたということ。
日本の中でも細く、ケツの小さい選手が、いずれアメリカの一般の人より小さい体で
世界一の選手になったということ。
これだけの条件が揃えば、イチローを天才と呼ばずにはいられない。
ただ、イチローにはそのストイックさが認知されており、
練習の量や野球への研究が知れ渡っているので天才だけでなく、努力の人とも表現される。
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