初対戦ということが多い高校野球では、はっきりと相手との力量をはかることは試合になってみてわかる、
ということも多い。
戦前の監督のコメントで「ロースコアに持ち込みたい」というものがよく紹介される。
ロースコアゲームと言うと、お互いに点が数点しか、あるいは全く取れず均衡した試合を指す。
監督のコメントがこのロースコアゲームを指すのなら、少しおかしい。
なぜなら、自チームの得点はいくらあってもいいわけだから、ロースコアゲームは好まないはずだから。
うちは点を取らないから、相手も取らず、緊張感のあるゲームを楽しみましょうというメッセージでもなかろう。
本意としては、うちはどうせ点が獲れないから、相手をなんとか抑えて接戦をしたい、
食いついて行きたい、といったところだろう。
それならば「ロースコアに抑えたい」の方が正しい言い方に思われる。
「持ち込みたい」という言い方だとこっちの点が獲れないこともどうでもいい、とさえ聞こえる。
だから、言い方としては「ロースコアに抑えたい」「〇点までに抑えたい」「ロースコアゲームになればうちにもチャンスがある」
といったところか。
ロースコアに抑えたいというのも当たり前ではあるが、チームによっては相手にいくら点をやっても
うちははね返す野球をしますよ、というチームはロースコアの抑えなくてもいいわけだ。
「ロースコアに持ち込みたい」はうちの打線はさほど爆発力があるわけでないから
点は獲れないでしょう。だから相手にも点をやらず、引き離されないゲーム展開を、
ということになる。
だからと言って、ロースコアが得意なわけではない。得点が多く獲れるわけではないから
ロースコアでなければ勝機はない、ということだ。勝つ試合はいつもロースコアとか、
負ける試合には大差もあればロースコアもある。
投手陣と相手打線を見比べて、そういう結論になるわけだ。
今日の明徳・馬淵監督も「ロースコアに持ち込みたい」と言っていた、と実況に紹介されていた。
明日へ。
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