準決勝は一番信頼のおける山本を当然、先発となるわけだが、
韓国は9人中6人が左打者だ。
右ピッチャーだから相手がそうしてきたのなら仕方がないが、そもそも日本には左ピッチャーが2人しかいないので、
こうなることはわかっていた。
最初から確率の下がる戦いへの入りということになる。
初回左打者2人を出塁させた。
ここは日本のエースが、そこははね返してくれると日本を応援する人は誰でも思う。
そしてそれだけの信頼が山本にはある。山本でダメなら納得が行く。
相手は右アンダーハンドの変化球ピッチャーなので吉田、柳田、近藤、村上がポイントになる。
日本の2点は共に先頭打者が出てのものだった。
1点目は村上がヒットで出塁してから坂本の犠牲フライ。
2点目は山田が2塁打で出塁して吉田のタイムリー。
先頭が出塁すること、右ピッチャーに対して左打者がポイントとなる、という野球の常道だ。
特に、初めて対戦するピッチャーなので、常道こそが生きる。
だから初めて対戦する山本のいきのいいストレート、フォーク、カットに緩いカーブを混ぜられては
5回で8つも三振が記録される。
これも野球の常道だ。
6回で山本が失点して、それも近藤のミスが絡んでのものだが、ランナーを残したところで
左打者に岩崎を出してきた。
準決勝になってやっと野球の常道にのせた。タイムリーとなったが、確率の問題でこれはこれでいい。
そしていいと思えば伊藤を回マタギ、と負けゲームを作らない国際戦ではこういう使い方になる。
これも常道。
8回勝ち越しの場面での近藤は駆け抜けた後、フェアグラウンドへ入ってタッチされた。
進塁の意思があろうがなかろうが、交錯回避のために行ったわけでもないのだから
フェアゾーンに行く意味がない。それはそのまま進塁の意思とみられかねない。
なぜあそこまで大きくフェアゾーンに立っていたのかわからないほどのプレーだった。
余計な事はしないことだ。
近藤はその前に失点の場面でもファンブルして進塁を許していたから、この日は近藤劇場。
これで思い出すのはドーハの悲劇。
ドーハの悲劇はロスタイムで同点に追いつかれたことが有名だが、その前の日本の勝ち越し2点目は
中山のオフサイドだった。
だから、当時リアルタイムで追いつかれた時もさほどショックがなかったことを思い出す。
今回は勝ってしまった。
近藤のプレーが逆の立場だったら、日本も当然抗議をしただろう。
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