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優勝を目指すことこそ選手のやりがい

駅伝は往路の方が、出入りが激しいもの。

競り合いを繰り返すトップ集団が前に出たり、後ろのランナーが抜いたりすると局面が変わったかのように

注目され、また実況も興奮して伝えるがそれはマラソンの見方だ。

 

駅伝は10人の総合力で勝負するのでその瞬間前に出たところで数メートルから十数メートル

の差がついただけ。

往路でその差などないに等しいのだから勝負という面で見れば全く騒ぐところではない。

駅伝において注目すべきは前に出たかではなく、その選手がチーム戦略通りの走りをしているか、だ。

 

また、逆転したら華やかではあるが、逆転した方が勝っているとは限らない。

例えば後ろから来た奴が前を捉え、中継近くにまた前を譲った場合、タイムでは後ろの奴が勝っていることは少なくない。

タスキを渡す間近に再逆転して意地を見せたかのようだが、実は負けている。

 

このように駅伝では瞬間、瞬間の粘りや追い抜きで見方が変わってしまうが、成果のほどはタイムによる。

今回の4区で8人抜きを演じたヴィンセントは1時間で走り、前を行っていた駒大が

区間タイム2位の1時間0分35秒だった。

駒大も区間新に迫る好走にもかかわらず、35秒縮めたという事になる。

そしてこの時点で往路4位まで順位を上げた。

 

だが、次の5区で順位を落とし、ヴィンセントが所属する東京国際大学は、結局往路7位となった。

トップ駒大とは4分39秒の大差となっている。

ヴィンセントとしては周りにあまり期待しないだろう。

豪快な走りを披露しても、全体では脚光を浴びることがないから。

だから自分のことだけを考えて、きっと走る。

 

選手としてはどっちがいいのだろうか。

弱いチームで強い相手とレースで走り勝負を楽しむのか、強い味方がいるチームで

優勝を狙い、普段から実力のある者と鍛錬する。

 

チームスポーツは強いチームがいいだろう。

優勝してこそ、本当の喜びが受けられるし、いかに自分が活躍していようと負け続けていてはおもしろくない。

そして優勝すれば、その中でのエースとして脚光を浴びる。

 

金田は巨人移籍の際にONをバックに投げたいとしている。

中島は日本代表に選ばれた合宿で一流選手ばかりの中で楽しい、と満面の笑顔だった。

FA選手も優勝を狙えるチームで、と移籍を決断するケースは多い。

 

強いチームで優勝を狙う事こそ日々の練習にも張り合いが出るし、楽しいし、自分の実力も伸びよう。

だから実力の高い選手は味方のプレーに失望するものだ。

俺が全部やりたいよ、と。

ヴィンセントも俺がもっと走りたいと思っていたことだろう。

明日へ。

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