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客観視できずしがみつく トライアウトに賭ける選手

毎年トライアウトが実施されるが、この中から契約へとなるのは1割に満たないそう。

そのうち戦力としてチームに貢献できるのは毎年1人いるか、いないか程度。

さらに、その選手も数年続けられればいいところ。

個人として見たらプロ野球選手の称号が少しの間、延びるだけで、

結局はすぐに再就職を考えなければいけないことになる。

それなら早いうちに引導を渡してやり、第二の人生へ移った方がいいとも言えそうだ。

かたや、球団が可能性の低い選手を獲るのは自チームの補強ポイントに穴埋めできる選手を

格安で獲っておこうという意味だろう。

その後、再編成を行い、補強したスポットを埋められる若手や外国人などに目星がつけばお役御免となる。

だから、トライアウト選手は長く続かない。

ただ、これはトライアウト選手に限ったことでなく、プロの選手は皆そうであり、

毎年の新戦力や成長でその身はすぐに追いやられる。

それでもこだわる理由の一つは当然ながら、まだやれる。と思っているということ。

しかし年齢が行き、実力が劣ったと思われるベテランを欲しがりはしない。

同じ実力ならニューフェースの若手を使いたいし、ファンも新しい個性を求める。

二つ目は、寝耳に水ということがあるからだろう。

まさか、俺がクビを切られるなんて、というプライド。

それでも、うすうすというか、恐らくというか、今年で終わりかも、という考えは頭にあるはず。

でも、いざ、クビを言われると、それまで幼少の頃から野球で生きてきて、

うまい、うまいと褒めそやされて生きてきて、ついに挫折を味わうことになったものの

それでも体が動く中では、引退と決断しにくいのだろう。

三つ目は、その過去の栄光を忘れられないのだろう。

松坂が中日に入団が決まった時、

「何を言われようが、自分ではまだ悔いのない野球人生だとは思えない」

という会見を目にした。

後悔などプロには関係ない。

そんなもの、戦う集団であるチームにとって同情をかける部分でもなんでもない。

全体を見渡して、自分の立ち位置を理解し、辞めるべき時に辞めるのがプロ。

悔いなど残って当たり前。

その葛藤を清算して身を引くのが栄光を手にしたことのあるプロがすることだ。

ベテランが戦力外や自由契約になり、どこのチームからもオファーがないのにしがみつく姿は

だいたいが、自分のことを客観視できず、全体を見渡せていない判断だ。

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