近頃、高校サッカー界は青森山田が目立つ。
青森山田は野球も強いが、決勝のもう一方、近江も野球が強い。
スポーツ競技に力を入れる高校は多種の競技に強さを発揮するもので、
ラグビー優勝の桐蔭学園も大きな学校施設で多種にわたって強い。
ラグビー準優勝の東福岡もいろいろ強い。
かつて東福岡はバレーボールとサッカーで同一年、異種全国制覇という
過去に例を見ないであろう偉業を成し遂げたことがあった。
この時、東福岡は日曜日にバレーボールの決勝があり、サッカー部は翌日に
決勝を控える中、応援に駆け付けていた。
場所は東京体育館。
東京の千駄ヶ谷駅、渋谷区。
サッカーの決勝は翌日、埼玉であり、大事な試合が控えていると思えば近い距離とは言えない。
そして優勝した東福岡バレーボール部は翌日、サッカー部の応援に行くと言っていた。
32年前、帝京がこれに似たことをしたことがある。
1月に行われた高校サッカーで松波や阿部を擁して優勝し、さらに3月に始まる選抜高校野球で
エース三沢を擁して優勝した。
ただ、これは同一年異種優勝になるのか、考えてしまうもの。
というのも、1月に行われる全国サッカーでの松波、阿部は正真正銘2年生。
事実、最上級生として3年生の最後の大会となり、相手の四中工のエース・小倉は一つ上の3年生だ。
帝京野球部がセンバツを制するのは、2か月後の3月の大会であり、4月の進級を
控えた2年生ということになる。
しかしこの時期、3年生というのはもういない。
つまり2年生を終了し、3年生になるまでの間の時期ということになり、最上級生となる。
センバツを伝えるテレビ中継でも新3年生、あるいは3年生として紹介される。
帝京は1月8日にサッカーで全国優勝。
野球では4月6日に優勝しているので、わずか3か月弱で異業種での同一高校優勝
という偉業を達成したことになる。
たった3か月弱しか離れていないものの、同一年とも言い切れないように思われるのだ。
サッカーとバレーボールは冬を主戦とするので、どちらも1月での優勝となり、
日曜日がバレーボール優勝、サッカー部は翌日にというもの。
東福岡は1日ちがいで全国を制しており、完全に同一年度異種全国制覇の偉業だ。