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確率を無視した戦いでの成功Ⅱ

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上位5人に左打者を並べていた日本。

右打者を選考していないから守備との兼ね合いもあり、左打者が偏る打線にしかならない。

宮崎、塩見、浅村、松本あたりは候補になるはずだった。

 

そんな中なのに右ピッチャーに代わったところで今度は右打者を代打に送る、という

まるで方向定まらない采配まで見せていた。

 

左打者を先発で使い、守備や走塁を期待した選手を招集したので代打には右打者が残ることになる。

だから打力の劣る打者、つまりキャッチャーの所に代打を出そうと思えば

牧や山川となり、相手のピッチャーの左右に関係なくなってしまったのだ。

 

キャッチャーの代打で言うと、メキシコ戦の7回、3点ビハインドの場面で

右ピッチャーに対して先頭の甲斐に代打を出さなかったのはどういう理由だったのか。

 

吉田のホームランが出て、追いついたのがこの7回だった。

二死から近藤、大谷がつなぎ、左ピッチャーのチェンジアップを吉田がとらえた。

 

代打を出さなかった理由は先頭打者だからだろう。

次の回にランナーがいる場面では、当然ながら甲斐には代打で山川が犠牲フライを打っている。

 

同じことがピッチャーの起用にも見られた。

打者が左ばかりを招集したのと反対にピッチャーは右ばかりだった。

 

ワンポイントが禁止された大会だったが、結果的なワンポイントは発生する。

実際に伊藤、宇田川は打者一人に対するだけで降板しているケースがあった。

 

相手打線や相手打者に関係なく投げる順番が決まっているから、

左打者に右ピッチャーをあてるなどと、わざわざ不利な対戦になるのに決行してしまう。

 

アメリカ打線は右打者ばかりなのにわざわざ今永を先発させた。

そして、長くは引っ張れない、と二回で降板させた。

その後はずっと右ピッチャーだけだった。

最初からそうしておいて、必要な場面に左ピッチャーはとっておけばよいのだ。

 

攻撃は相手ピッチャーに関係なく左打者を並べ、守備は相手打線に関係なく

右ピッチャーを登板させるという采配だったわけだ。

 

結果、接戦を演じることになり、日本のファンに訴求する効果はあった。

ここまで見越しての采配なら見事だ。

 

次は代走について触れておこう。

メキシコ戦の9回、吉田がフォアボールを選んで無死一、二塁となったところで周東を起用した。

吉田を引っ込めて、脚の切り札を出すということはこの回で決める、という

意志を示したわけだが、この積極采配は絶好のタイミングだった。

 

延長に入ればタイブレークだから、そう長くは続かないことが予想される。

吉田に次の打席が回ってくるのと

無死でランナー二人となったこの回に二点を獲ることを天秤にかければ、

代走で勝負の選択が妥当だ。

 

10回以降も普通のイニングが続くなら代えなかったかもしれない。

ランナーがいる状態なのに、一番遠い打順の吉田の一打席のためより、

この回決めに行くのは当然の采配とも言える。

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