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高校野球だけじゃないのよⅡ

以前のこの場での記事で続きはまたとしていた話題の続きを。

 

『高校野球だけじゃないのよ』

 

内容としてはこちらのニュースを取り上げたもの。

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甲子園は目指しません 芦屋学園が10年一貫指導の野球クラブ創設

 

今、日本でプロ野球選手になるもののほとんどが高校野球(高校の野球部に所属する)を経験している。

というより選択肢がそれしかない。

 

このシステムは数十年、百年近く続いてきたことになる。

 

おかげで古い慣習を引きずって、疑問に思う多くのことも教育の一環という

大義名分のもとまかり通っている。

 

これによりプロの世界やレベルの高い組織においては常識とされるようなことも

高校レベルでは排除されることになる。

 

私が子供のころに教わったことで

もし私が今、子供たちに野球を教えたらこんな指導はしないというものが山ほどある。

 

それは、私が教わったことを実践してきて成果が出なかったから。

つまり自分の経験から間違いだと思うことが山ほどあるということだ。

 

たとえば打つことで言えば

ライナーを打つ(鋭い打球を打つ)ということが良い打者だと教わってきた。

 

ピッチャー返しか、

ショート、セカンドの頭の上に行く打球を打つと褒められた。

 

フライを上げれば頭ごなしに怒られ、

大きいスイングをすると

「ホームランを打つ気か!10年早い!」と怒鳴り声が飛んできて

それでもスイングが大きいと

「そんなにホームランが打ちたいのか!」とゲンコツが飛んできた。

 

しかし長く野球を経験してわかることなのだが、

ライナーやゴロ、右打ちを小さいころから身につけてしまうと

遠くへ飛ばす技術が身に付きにくくなる。

 

つまり、遠くへ飛ばす打ち方がわからないのだ。

 

小さいころは遠くへ飛ばす打ち方を覚えさせ、

成長する過程でライナーや右打ちを覚える方が技術は伸びるだろう。

 

大は小を兼ねるという発想だ。

 

小さいうちにその選手のタイプを決めつけてしまうと成長を阻害する。

 

フライを打つことは、

打者としては最悪の結果というのが常識として浸透してきた。

 

その理由は、

フライにはイレギュラーがないからだ。

 

打球が上がった瞬間、守る方は捕るだけでひとつのアウトが貰えるから。

 

対してゴロを打てば、

イレギュラーの可能性がある、

スローイングのミスの可能性がある、

ファーストなど送球を受ける側がミスする可能性がある、

打者走者の足が勝る可能性がある、

と、可能性が広がるためフライは打つなと言われてきた。

 

しかし、ポップフライとホームランは紙一重だ。

 

ホームラン打者はフライを打つ練習をする。

 

打球に角度をつけ、バックスピンが効いた打球がホームランになるからだ。

 

それがフライになるのは、

ホームランの時より若干ボールの下をたたいてしまい、角度がつきすぎたためであり、

ポップフライになる打球より少しボールの上をたたき、バットをもぐらせ押し込みが効くといい角度で上がり

今度は、ホームランになるのだ。

 

紙一重だ。

 

現役時代の落合やおかわり中村はこういう打球を意識している。

 

だからティーでも上に打ち上げる練習をしたり、ロングティーを重要視している。

 

私の高校時代のチームメートで控えの奴が、

卒業してから母校のコーチとして現役生の練習を見ていた。

 

奴は、細身でパワーがない非力タイプの男だった。

 

それが、コーチをやることでノックを多く打った結果、

打球を運ぶ打ち方を身に着けていた。

 

すると草野球などで一緒に野球をやると、現役時代では見たことのないような

外野を超えるような打球を打つようになり、ミートした打球はきれいな放物線を

描くようになっていた。

 

たとえノックであろうと角度をつける練習をすると効果があるわけだ。

 

特にこれからどれだけ成長するかわからない小、中学生に対しては

勝利ばかりに重点を置くと、その選手の可能性を狭めてしまう恐れがある。

 

チームとして勝利にこだわる姿勢を覚えるとともに、

選手には可能性をもたせた指導が必要になってくる。

 

またつづく。

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