先週、名球会入りについての話をした。
野手(打者)は圧倒的に投手より入会への条件程度が低い。
その野手(打者)の中でも、
この条件をクリアする有利不利が存在する。
最も不利ながら名球会入りを達成したと思われるのが
元ヤクルト・宮本だ。
前にも紹介したが不利な条件が3つある。
ひとつが右打者であること。
名球会に名を残す打者、打率の高い打者は左打者が圧倒している。
それは、右ピッチャーが多いということと1塁までの距離が短いからだ。
ふたつめが大学→社会人を経由していること。
大学→社会人からプロ入りすると25歳が
ルーキーイヤーとなり高卒とは6年も差がある。
その分現役期間は短いので当然、試合数、打席数が少なくなるわけだ。
みっつめがつなぎの打者であること。
宮本は犠打の日本記録を持っているほど、犠打を要求される選手だった。
つまり、別の選手に打つチャンスを回す役割だった。
そうすると打席の中でいろいろな制限が生まれる。
犠打の日本記録を持っているように
バントのサインが出れば当然、ヒットは打てない。
また盗塁やエンドランがあるかもしれない場面では
カウントを待って初球から打つことが許されない。
盗塁のサインなら塁に出たランナーが走りやすいようにカウントをつくり、
ピッチャーが変化球を投げざるを得ないようにしたり
走った時にストレートが来て刺されると思えば、ファールにしたり
自分のバッティングよりも盗塁が優先されてしまう。
エンドランのサインならボール球だろうが
何が何でもバットに当てなければならなく、
打つ方向も基本、右に打つことを要求され、フライは絶対ダメ。
自分の好きな球を好きなカウントで好きな方向へ打つという
ことができない制限をもたされる役割だった。
1度の打席でチャンスが何度もなく
1球を仕留めて行かなければならないプロの世界で
自分の好きなように打席をつくることができないということは、
ヒットを重ねるには大変不利な条件だ。
名球会のメンバーで現役生活中、常につなぎの役目を求められたのは
宮本だけだ。
さらにつづける。