おそらく、40年くらい前のプロのレベルは今の大学生か、それより低かろう。
日本人のプロだけでやれば、今の大学生に勝てないと思われる。
外国人のパワーによる、いわゆる助っ人のおかげで勝負になるかもしれない。
大学生に助っ人はいない。
サッカーでは、昭和30年代後半から40年のはじめくらいの日本代表のレベルは、
今の高校サッカーの全国レベルかそれより下とまで言われている。
今から半世紀か、もうちょっと前の日本代表のレベルを、
50年の間に、各世代である、高校生、大学生、社会人、プロ、日本代表と実力を上げ、
そのレベルに到達したということになる。
50年でそこまでなるというのは、急激な進歩という印象だ。
逆を言えば、当時はサッカーが、まだマイナースポーツであり、裾野が狭かった。
急激な進歩は、第一にJリーグができ、サッカーが多くの人の知るところとなったからということと、
さらにワールドカップでの悲劇と歓喜が人々の心をつかんだ。
そして今は、情報が溢れ、世界のレベルを簡単に知ることができ、海外スターのプレーも分析できる。
これらにより、サッカーをやる子供が増えたことで、レベルの急上昇につながった。
当然、野球にも言えることであり、
昔の映像を見ると、プロのレベルってこんなものなのかと感じる場面が多々ある。
それが10数年前にはイチローが、まさかMLBで首位打者になり、
今は、大谷が海外選手さえも驚かせる活躍を見せる。
野茂がパイオニアとして、切り拓いたわけだが、ピッチャーの活躍はさほど驚かない。
野球はピッチャー有利にできており、さらに海外選手と日本人選手の決定的差である体力面から
成し得る剛球がなくとも、ピッチャーは活躍できるからだ。
レベルが上がる野球では、今後は大谷のような特別な選手も出てくることになるだろう。
ただ、イチローのような特別な選手は30年経っても出てきていないが。
ピッチャーのレベルも40年前のプロのピッチャーより、今の大学生の方が高い。
何が違うか。
それは体のでかさということが何より最大の理由だ。
そして情報を多く得て、球種が増えたことがレベルの違いにある。
一方で大学生の守備のレベルはこんなものかと目を疑うことがある。
外野手の返球が驚くほど、不正確なシーンをよく目にするのだ。
返球は正確に投げることが最も優先されるのだが、カットマンにしっかり返せない、
ダイレクト返球は逸れる、状況判断ができず、後続ランナーの進塁を許すという場面を多く見る。
パワー系、球種といったことにはレベルは格段に上がったが、頭を使う部分のこういったプレーに
神経が行き届いていないのだろう。
内野手の捕球、送球、俊敏さも意外と低いものだ。プロと比べるとかなり質が落ちる。
だが、40年前のプロのレベルもきっとこんなものだっただろう。
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