昔は、スライディングはケツで滑りなさいという教えだった。
それは、ケツで滑った方が速く、長く滑っていられるから。
それからケツは肉厚があるので痛くなく、ケガがしにくいから。
だから、スライディングパンツはケツを保護するように作られている。
その方法も今は少し変化した。
それは、スライディングは減速行為だからということが理由だ。
走り抜けた方が速いのだが、クロスプレーの時、2塁、3塁でオーバーランをしては
アウトになってしまう。
ベースでピタリ止まらなければならない。
スピードに乗ったままベース上でピタリ止まるのは不可能なので減速しなければいけない。
立ったままスピードを緩めると減速の量が大きくなってしまうので
スライディングという方法をとり、なるべく減速を少なくしてベースの上で止まるようにしているのだ。
つまり、スライディングは減速する行為だということ。
それならば、減速行為であるスライディングの距離を長くしたら、それだけ減速期間が長くなり、
ベースへの到達が遅いということになる。
だから今は、なるべくケツで長くすべるのではなく
できるだけベースの近くまでスピードに乗った状態を維持して
ギリギリのところで膝を使ってベースごと刈り取るようなイメージでスライディングをする。
こうすると減速期間を短くでき、ベース到達が最も速くなるという考え方。